【サッカー】「普通のプレーヤー」だった3年生 明秀日立DFが味わった「努力の末の悔しさ」の価値
トーナメントは、結果がすべて。しかし、敗者にも得る物は、ある。全国高校総体(インターハイ)の男子サッカー競技は9日に3回戦を行い、明秀学園日立(茨城)は1-3で桐光学園(神奈川2)に敗れた。
インターハイ男子サッカー、明秀日立DF深町琢磨が大舞台で得た物
トーナメントは、結果がすべて。しかし、敗者にも得る物は、ある。全国高校総体(インターハイ)の男子サッカー競技は9日に3回戦を行い、明秀学園日立(茨城)は1-3で桐光学園(神奈川2)に敗れた。
相手は、元日本代表MF中村俊輔(磐田)をはじめ、数々のプロ選手を輩出している名門校。元々、入部してくる選手の質が違う。明秀日立から見れば、タレント軍団と言えるチームだ。それでも、前半にセットプレーから失点を喫した後、じわじわと押し返して同点に追いつき、相手を苦しめた。だが、一瞬の隙で勝利の可能性はこぼれた。後半、連係ミスから勝ち越し点を奪われて、勝機を逸した。
失点に絡んでしまった深町琢磨(3年)は「チームの思いを背負っていたし、監督に起用してもらったので、良いプレーをしようと思っていたのに、悔しい結果で終わってしまった。DFは、ワンプレーで試合が決まってしまう。甘かった。みんなに申し訳ない」と肩を落とした。ポジションは、3バックの右。相手がタッチライン際に出した縦パスに反応して奪いに出たが、同時にGKも出てきてしまった。
「ボールを奪って、GKにバックパスをしようと思っていたんですけど、コミュニケーションをうまく取れませんでした。だから、ボールを奪った後、サイドに出そうと思ったら、相手にひっかかって取られてしまい、焦って突っ込んでしまいました」
競り合ったのは、桐光学園で1年次から10番を背負っているU-16日本代表の西川潤(2年)。焦って飛び込んだ深町は、切り返しでかわされ、守備の準備が整っていない明秀日立は、西川のラストパスから失点を喫した。
萬場努監督も悔やんだ場面だったが「3バックのほかの2人は、昨年から試合に出ているけど、3番の子(深町)は、経験不足。でも、あの場面までは、よく抑えてくれた。チームで大事にしているのは、個の成長力。深町は、中学では主力ではなかったけど、この立ち位置まで来ている。そういうのが大事」と選手の歩みについては評価を与えた。