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日曜日はオフ、年休制度あり 異端の強豪バスケ部が“バスケだけに固執しない”理由

日曜日はオフ、自由に休める年休制度があり、部活以外の留学もOK。部活は、数ある取り組みの一つに過ぎない。そんな姿勢を取り、生徒の主体性を重んじる近畿大学付属高校男子バスケットボール部は、暑い夏も生き生きと練習に取り組み、インターハイで躍進を狙う。

近畿大学付属高校男子バスケットボール部【写真:平野貴也】
近畿大学付属高校男子バスケットボール部【写真:平野貴也】

部活は数ある取り組みの一つ、インターハイ出場の近大付男子バスケ部

 日曜日はオフ、自由に休める年休制度があり、部活以外の留学もOK。部活は、数ある取り組みの一つに過ぎない。そんな姿勢を取り、生徒の主体性を重んじる近畿大学付属高校男子バスケットボール部は、暑い夏も生き生きと練習に取り組み、インターハイで躍進を狙う。とにかく、チームの雰囲気が明るい。猛暑を避けるために朝7時から行われた練習でも、笑顔が絶えない。主将を務める野崎海斗(3年)は「充実した毎日が続いて、良い形でインターハイに向かえている実感があります。マイナス思考になると、新たな発想が生まれにくい。チームのモットーは、笑顔。自然と前向きに取り組めていると思います」とチームの手応えを話した。

 インターハイ予選は、決して楽な戦いではなかったが、ポジティブな力で乗り切った。大阪府予選は、勝ち上がった4チームが決勝リーグを行い、2チームが全国大会の出場権を得る。決勝リーグ第2戦、勝算があると思われていた関大北陽に敗れて黒星となった。しかし、まるで落ち込まず、愚痴もこぼさない姿を見た人は驚いたという。野崎に聞くと「落ち込んでも、チームが沈むイメージはなかったです。ロッカールームでも、次のことをすぐに考えて、明日、頑張れば良いかというくらい。大阪でも、こんなに明るいチームはないと思います。先生は、抑えつけるのが好きじゃない人。主体性を見てくれて、自由にできています」と、あっけらかんとしていた。その後の第3戦で桜宮に勝利し、見事優勝を飾った。

 部活は、やらされるものではない。やりたいから、やるのだ。大森健史ヘッドコーチは「そんなことでは負けてしまうぞ、勝てないぞと、こちらがお尻をたたいて(叱咤して)何かをやらせる力より、彼ら自身の成長とか充実感の力が上回るようにしたい」と指導方針を話した。一昨年から、1年間に10日間は自由に休める権利を選手に与え、日曜日を丸1日オフにするという、強豪校としては画期的な取り組みを始めた。

 選手は、休みを利用して家族旅行などに参加したり、別のスポーツに取り組んだりして、心身のリフレッシュを図る。選手は、週末に向けてモチベーションを上げるのだという。やる気を持って臨む練習ほど身になるものはない。そして、オフにバスケット以外の世界や人に触れることが、実は選手としての成長を促している部分がある。主将の野崎は、昨年12月から1月にかけて、貴重な体験をした。大森コーチからカンボジア留学を勧められて参加したのだ。貧困層を助けるビジネスを現地で学ぶプロジェクトだった。

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