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青森山田が白星発進、名将・小嶺忠敏監督に初勝利 指揮官「感慨深いものがある」

新しい高校サッカー界の歴史は、緑色に塗り替えられるのか。青森山田高校サッカー部の勢いが止まらない。全国高校総体(インターハイ)サッカー男子は14日に競技を開始し、優勝候補の青森山田は、3-0で長崎総合科大附を破って2回戦進出を決めた。相手にシュートを1本も打たせない完勝。黒田剛監督が「シュートを打たせたくなかった」と話したのは、敵将が百戦錬磨の名将だったからだ。

ダメ押しの3点目を奪ったDF多久島良紀(2年)【写真:平野貴也】
ダメ押しの3点目を奪ったDF多久島良紀(2年)【写真:平野貴也】

高校総体サッカー男子、青森山田は小嶺監督率いる長崎総合科大附に3-0勝利

 新しい高校サッカー界の歴史は、緑色に塗り替えられるのか。青森山田高校サッカー部の勢いが止まらない。全国高校総体(インターハイ)サッカー男子は14日に競技を開始し、優勝候補の青森山田は、3-0で長崎総合科大附を破って2回戦進出を決めた。相手にシュートを1本も打たせない完勝。黒田剛監督が「シュートを打たせたくなかった」と話したのは、敵将が百戦錬磨の名将だったからだ。

 黒田監督は「(準備期間から)初戦の緊張感を維持するには、良い相手だった。何をしてくるか分からない相手。マンツーマン守備もある、(守備固めの)5バックもある、全部ワンタッチで(ゴール前にロングパスを)放り込んで来るかもしれない。そういうことを含めて準備を徹底してやろうとしてきた」と用心して初戦を迎えたことを明かした。

 青森山田は、近年、最も強い高校サッカーチームとして認知度を高めている。冬の名物となっている高校選手権では、直近5年で優勝2回、準優勝2回と毎年のように決勝戦へ進出。年間を通じて、Jクラブのユースチームとも対戦する高円宮杯プレミアリーグEASTでは直近5年で2度の優勝を飾っている(20年度はコロナ禍で特別編成となったためプリンスリーグ東北に参加となり、不参加)。黒田監督の下、かつての教え子たちがコーチとなり、伝統を受け継ぎつつ進化している。

 それでも、なかなかたどり着けないキャリアを築いた先人がいる。長崎総合科大附を率いているのは、小嶺忠敏監督。かつて国見を全国屈指の強豪に育て上げて、全国高校選手権を最多6度の優勝に導いた名将だ。青森山田の黒田監督は「小嶺先生との勝負は、3回目。今まで国見に1-3で負け、長崎総科大附にも0-1で負けている。勝ったことがない相手だった。高校選手権が100回を迎えるという高校サッカー界の歴史の中で、やっと勝って弾みをつけていく。それは、生徒には関係ないですが、自分自身としては、感慨深いものがあります」と名将対決初勝利の重みを感じていた。

 長崎総科大附を破った初戦は、前半こそ攻撃が単発で速攻を狙い合う相手の土俵に引きずり込まれたが、後半はきっちりと修正。連続性のあるコンビネーションアタックで押し込み、サイドからのクロス、ロングスローのこぼれ、CKの二次攻撃と3点をもぎ取った。

 今季は3冠(高校総体、プレミアリーグチャンピオンシップ、高校選手権)を期待されるほど期待の高いチームだが、チームを引っ張るMFの松木玖生(3年)は「3冠、3冠なんて先を見据えていたら、絶対にどこかでつまずく。先を見過ぎずに1試合1試合、自分たちらしくやれば、今日みたいに無失点で勝てる。今日の(前半の)イメージも修正して次に向かいたい」と着実に改善を積み重ねて頂点を目指す姿勢を強調した。初戦を快勝した青森山田は、16日に行われる2回戦で初芝橋本(和歌山)と対戦する。

(平野 貴也 / Takaya Hirano)

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