バド女子複は柳井商工の2年&1年ペアが優勝 結成4か月の快進撃「楽しんでやれた」
左利き2人という珍しいペアが頂点に立った。それも、2年生と1年生という下級生コンビでの全国制覇という快挙だ。全国高校総体(インターハイ)バドミントン競技は13日に最終日を迎え、女子ダブルスは、明地陽菜/田口真彩(柳井商工高・2年、1年)が決勝で古茂田倭子/石橋結子(常総学院高・ともに3年)を2-0で下して初優勝を飾った。田口が入学した4月から組み始めたペアが、結成4か月で日本一。田口は「初めて組んだときは、ぐちゃぐちゃ過ぎてダメだなと思った」と笑ったが、田口が積極的に前に詰め、明地が広範囲をカバーする連係が磨かれ、結果につながった。
高校総体バドミントン女子ダブルス決勝
左利き2人という珍しいペアが頂点に立った。それも、2年生と1年生という下級生コンビでの全国制覇という快挙だ。全国高校総体(インターハイ)バドミントン競技は13日に最終日を迎え、女子ダブルスは、明地陽菜/田口真彩(柳井商工高・2年、1年)が決勝で古茂田倭子/石橋結子(常総学院高・ともに3年)を2-0で下して初優勝を飾った。田口が入学した4月から組み始めたペアが、結成4か月で日本一。田口は「初めて組んだときは、ぐちゃぐちゃ過ぎてダメだなと思った」と笑ったが、田口が積極的に前に詰め、明地が広範囲をカバーする連係が磨かれ、結果につながった。
最終日は、シングルス、ダブルスの準決勝と決勝が行われた。2人が最初に挑んだのは、ダブルスの準決勝。ここでは、団体戦の雪辱を果たした。10日に行われた団体戦決勝は、柳井商工高が3-1でふたば未来学園高(福島)を破って初優勝を飾ったが、明地/田口ペアは敗戦。ふたば未来学園高(福島)のエースダブルス杉山薫/田部真唯(ともに3年)との再戦となった個人戦の準決勝は、2-0(21-19、21-19)で競り勝った。
通常、ダブルスのペアは、小柄な選手がネットに近い前衛を担い、大柄な選手が高さを生かして角度のあるショットが打てる後衛を担う。ところが、このペアは、2年生の明地の方が小柄だが、広範囲をカバーするフットワークで主に後衛を担当。明地よりも背が高い1年生の田口が素早くネット前に出て行って相手の球を捉えた。得点を取る度、次の一球に気合いを入れる度、バチンと力強いタッチの音が鳴る。追われる立場になるのは、相手。下級生ペアは、勝負所で冷静さと大胆さを持って攻め込んだ。明地は「下級生ペアで思い切って行ける分、楽しんでやれたと思います」と笑顔を見せた。
明地は、その後にシングルスの準決勝にも出場したが、優勝した久湊菜々(岡崎城西高・3年)にストレート負け。体力を失いつつ、気持ちは切り替えて臨んだダブルスの決勝戦では、第1シードを破って勝ち上がってきた古茂田倭子/石橋結子(常総学院・ともに3年)と対戦。左利きの古茂田、右利きの石橋が、ともにパワーのあるショットを打ち込んだが、明地は巧みな配球で翻ろう。サーブの場面で何度もラケットの角度を変えて相手にプレッシャーを与えていた明地は「サーブ回りで駆け引きをして、そこから攻撃の形ができていたので、点数は取りやすかった」と主導権争いを制した手ごたえを語った。
田口も「相手のスマッシュは、自分たちよりも強い。私たちは(パワーで)攻め切る力がないからこそ、コートを大きく使って相手を動かして、そこから攻めた」と機動力の勝負に持ち込み、パワー勝負を避けることができたことを勝因に挙げた。
女子団体と女子ダブルスの2冠。まだポテンシャルを秘める下級生ペアは、今後も楽しみだ。2人に憧れの選手を聞くと、明地は東京五輪でベスト8となった女子シングルスの山口茜(再春館製薬所)、田口は16年リオデジャネイロ五輪女子ダブルス金メダリストの松友美佐紀(日本ユニシス)の名を挙げた。
明地は「シングルスでは、体が小さい分、足(フットワーク)とストロークで稼がないといけない。山口選手は足も持っているし、良いストロークも持っている。そういうふうになれたらいい」と説明。田口は「しっかりと前に入って点数を取るところが本当に上手いなと思って、よく研究しています」と話した。世界のトップで戦う偉大な先輩たちに追いつき、追い越そうとする次代の力を感じさせる新女王の誕生だった。
(平野 貴也 / Takaya Hirano)