川島永嗣が「授業中に寝ない」を貫いた理由 「部活と勉強」と、7か国語を話すまで
「『授業中に寝ない』を守れるかがピッチ内の自分の規律に影響する」
「自分が決めたことをしっかりとやれるかどうか、ではないかと思う。『授業中に寝ない』という自分のルールを守れるか守れないか、それがピッチ内の自分の規律に影響してくる。自分が目標に向かっていく過程でも、自分のルールがなければ辿り着けないもの。そういう意味では勉強をする意味はあったと思います。
今の若い子たちに思うのは、無駄なことは何もないということ。その時に無駄かどうかは分からない。やってみて結果的に必要なければ捨てればいい。人生において、高校は勉強する時間を与えられているわけで、勉強してみたら、後々生きることもあれば生きないこともある。やってみるだけ、やってみてもいい」
大切なのは知識ではなく、自分が決めた目標を成し遂げる実行力。そこに意味があると、勉強の大切さを説いた。国語が得意科目だったという守護神は「いつも、自分が思っていること」として、高校生たちにメッセージを贈った。
「確かに勉強がサッカーの上手さには、そんなに関係はないと思う。ただ、サッカー選手は本当に限られた人しかなれない。どんなに部活を頑張っても、チームで1人でもなれれば凄いこと。ということはどんなに夢を追いかけても、どこかで他の夢を追いかけなければいけない時が来る。一つの夢、目標に向かっていく姿勢は若い子たちに一番学んでほしいというのが僕の考えです。
どの分野に行っても、それを忘れないでほしい。サッカーでプロがダメだったから違う分野でも成功できないと感じるのではない。サッカーをやって、目標に対して努力する姿勢を学ぶことができたから、違う分野に行っても夢を多く持ち続けてほしい。そのために勉強できる、できないは関係ない。夢、目標に向かっていく姿勢を高校で部活をやっている間に学んでほしいです」
熱く説いた言葉に説得力を感じるのは、川島自身、その後も“学ぶ”という姿勢をやめていないからだろう。最も特徴的なことは堪能な語学だ。今、何か国話せるのかを問うと「日本語。あとは英語、フランス語、イタリア語、スペイン語。オランダ語、ポルトガル語もちょっとくらい……」と明かす。実に7か国語を数える。
なぜ、こうも語学を身に着けるに至ったのかについても聞いてみた。きっかけは10代だったJ2大宮時代に経験したイタリア留学。「向こうでできた友達、指導してくれたコーチたちが何を本当に考えているのかを知りたかったことが一番の欲」と明かす。
「自分が生まれ育った国の文化だけじゃなく、違う国で育った友人たちがどういう考えを持って普段、過ごしているのか凄く興味があったし、それを話し合える間柄になりたかった。サッカーに関しても、通訳が言っている言葉を聞いて分かったように感じているのではなく、実際にその人がどういう考えでトレーニングをしているのか、本当の意味で理解したかったんです」