Jユースから“移籍” 青森山田のU-19代表FWが感じた「高校サッカー」という名の魔力
“移籍”を成功に導くプレッシャー…夢はプロ「自分がどこまで進化できるか」
青森山田の一員として初めて試合に出たのが4月の始め。約4か月前だ。少しずつ手応えを得てきているという。
「1か月前くらいから、味方が僕の動きを完全に理解してくれるようになってきた。なかなかプレーが合わなくて苦しい時期もあったけど、パスが出てこなくても見えていたとか、コミュニケーションを取れるようになって、少しずつ合ってきたところ。4か月と言われて、まだ4か月しか経っていないのかと思った」と話す素振りから、移籍を成功に導かなければならないというプレッシャーの中で、いかに濃密な時間を過ごしたかが伺えた。その手応えを、結果で示す場こそが、このインターハイだ。
「自分がどこまで進化できるか。背が高くないので、FW一本ではプロに行ったときに厳しいかもしれないと考えていて、少し下がった位置のプレーも考えている。その中で、僕の特徴であるゴールするという部分をなくさずにやっていけば、もっと(監督にとって)使いやすくて、幅の広い選手になれるのかなと思う」と話した中村は、ゴールでアピールしたいと考えている。
31日に行われる3回戦も、昨季の全国高校選手権を2年生主体で優勝した前橋育英高校(群馬)との対戦でビッグマッチが続く。相手の最終ラインには、新潟への加入が内定したDF渡邊泰基らもいる。大きな決断を経て、プロ入りへのアピールを狙う中村のプレーが注目される。
◇インターハイのサッカー男子は29日に幕を開け、7日間にわたって熱戦が繰り広げられる。決勝は8月4日。なお、今大会は全国高体連公式インターハイ応援サイト「インハイTV」を展開。全30競技の全試合をライブ配信し、インターネット上で観戦、応援が可能となった。また、映像は試合終了後でもさかのぼって視聴でき、熱戦を振り返ることができる。
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平野貴也●文 text by Takaya Hirano