夜の体育館で3時間マンツーマン特訓 “チームなき”中学時代、父の献身に「恩返し」全国初メダル――高松商・宮崎央輔
父とマンツーマンで鍛えた力で、初めてのメダルをつかんだ。3月28日まで香川県高松市で行われた第54回全国高校選抜バドミントン大会で、宮崎央輔(高松商2年)は、男子シングルスで3位タイとなり、初めて全国大会のメダルを手にした。

全国高校選抜バドミントン大会・男子シングルス
父とマンツーマンで鍛えた力で、初めてのメダルをつかんだ。3月28日まで香川県高松市で行われた第54回全国高校選抜バドミントン大会で、宮崎央輔(高松商2年)は、男子シングルスで3位タイとなり、初めて全国大会のメダルを手にした。
地元開催の全国大会。団体戦はベスト8。個人戦も、男子ダブルスはベスト8だった。ラストチャンスとなったシングルスは、準々決勝で増田遥(ふたば未来学園2年)とのU19代表対決に2-1で勝利した。準決勝で敗れたが、宮崎は「準々決勝は、足を痛めていた相手の(スロー)ペースに合わせてしまった。自分のプレーができずに困ったけど、コーチから、もっと攻めろ、しっかりしろと言われて、気持ちを切り替えられたのが良かった。ベスト4は、うれしい。今まで、ずっとベスト16とかベスト8だったので、壁を越えられたのは大きいなと思いました」と手ごたえを示した。
団体戦では、地元で多くの声援を受けることについて「やっぱり、応援がある分、自分たちの力になって、いつもより良いプレーができている。力をもらった」と話していたが、自己最高成績で声援に応えた。
宮崎にとって、仲間の存在は大きい。地元の三豊市は、元世界王者の桃田賢斗(NTT東日本)の故郷でもあるが、生徒数の減少により、中学校部活動の廃部が相次いでいる。宮崎が通っていた詫間中学校も、男子バドミントン部は市の教育委員会が運営する「校外部」で、学校の垣根を越えて活動する形式。チーム活動を行えない環境だった。
そのため、元高校球児の父・良一(かずひと)さんが、仕事後の時間に体育館を予約。動画などでバドミントンの勉強をしながら、手投げノックなどで練習に付き合った。放課後は、ランニングなどでフィジカル強化を図り、夜には父と約3時間のマンツーマン特訓を行っていたという宮崎は「親が頑張ってくれる分、やっぱり、恩返しをしたい気持ちが、自分の中であった。きつかったけど、ずっと基礎練習をやってきたので、それが今につながっていると思う」と振り返った。
ただ、やはり、仲間と一緒に活動したい思いは強かった。中学生の時にも全国大会に出場していたため、県外からの誘いもあったが、県内のライバルが集う高松商で一緒に活動したい思いで、ともに戦う道を選んだ。その決断が、地元開催の全国大会出場と躍進につながった。
父との特訓、高校で得た仲間たちとの切磋琢磨、そして仲間からの声援を力に、初めて全国大会のメダルをつかむことができた。今季はU19ジュニアナショナルメンバーに選ばれており、今後は国際大会に挑戦する可能性もある。卒業後の進路は、実業団入りを希望しているが、まだ未定。宮崎は「もっと活躍して、みんなに見てもらえる選手になりたい。結果を残せるように頑張りたい。YouTubeとかで、桃田選手とかいろいろな選手(が大舞台で戦っている姿)を見ているし、自分も全日本総合選手権のような大きな舞台でプレーしてみたい」と夢を描いている。
上から角度をつけて振り下ろすスマッシュが武器だが「シングルスは、どれだけ粘れるかの勝負が一番大事」と、東京五輪に出場した常山幹太(現・北都銀行コーチ)や、U24代表の武井凛生(NTT東日本)のプレーを参考にしているシングルスプレーヤーだ。
当面、次のターゲットは、夏のインターハイ。団体、ダブルス、シングルスのすべてで4強入りすることを目標に掲げた。インターハイの個人種目で4強入りすれば、全日本総合選手権の予選出場権を獲得することができる。地元で得た手ごたえを胸に、もう一度、大舞台での躍進を狙う。
(平野 貴也 / Takaya Hirano)
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