高校2年生が叩き出した158km「ちょっとヤバいな」 石垣元気の対戦相手が語った“体感”「対応できなくは…」
捕手は集中力に驚き「うまく使えなかった」反省も
当の石垣は158キロについて「たぶんそんなに出てないと思います」と冷静だった。この大会での登板は初めてだが、チームは霞ヶ浦(茨城)との1回戦を同じ等々力球場で戦っており、その時から「(球速が)出やすいんだろうなと思っていました」という。球場によって、スピードガンの“クセ”は確かに存在する。「マックスでも153、154という感じ」と話すように、自身の感覚より少し速く出ていたと認識している。
そんな中、バッテリーを組んだ小堀弘晴捕手(2年)は158キロについて「これは出てるな、という感じのボールでした」と威力を感じていた。今夏の正捕手は高校日本代表にも選ばれた箱山遥人(3年)だったが、小堀はブルペンで石垣のボールをずっと受けてきた。「いつもと違うことはないんですけど、やっぱり試合なので集中力が高い状況なのかなと感じました」。試合でスイッチが入ったときのボールはやはり、超高校級だ。
一方で小堀は、別の課題を感じている。「ストレートが走っていたのに、普段通りのカーブとの組み合わせがうまく使えなかった。序盤ストレートに頼りすぎたのが自分の反省点です」。7回、最後の打者に対しても153キロを記録した直球は“麻薬”と言えるのかもしれない。それに頼りすぎず、緩急をしっかり付けられる石垣の良さを引き出していきたいという。
石垣は、過去に大谷翔平投手(ドジャース)や佐々木朗希投手(ロッテ)が記録した高校生の160キロに「来年には」と到達したい野望を持っている。超高校級の球速が巻き起こした狂騒曲。実際どうだったかはともかく、今後は“158キロ右腕”という看板を背負う。敵も味方も、それをどう生かし、超えていくかに知恵を絞る。来夏の甲子園にかけて、世代の中心となっていくのは間違いなさそうだ。
(THE ANSWER編集部・羽鳥 慶太 / Keita Hatori)