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西武台の1年生4番は「彼以外いない」 105kg田代寛人の減量願望に指揮官が「今のままでいい」というワケ

第77回秋季関東地区高校野球大会は27日、横浜市のサーティーフォー保土ヶ谷で1回戦2試合を行い、西武台(埼玉)は2-3で千葉黎明(千葉)に敗れた。打線が千葉黎明の2投手に計2安打に抑えられる中で目を引いたのが、1年生ながら「4番・一塁」で先発し、初回に先制二塁打を放った田代寛人だ。体重105キロという巨体だが、7回には俊敏な動きでフライをダイビングキャッチするなど、俊敏さも兼ね備える。本人が冬の減量希望を口にする中、河野創太監督の見方は違う。今のままでいいとする理由とは。

1年生ながら「4番・一塁」で先発した西武台・田代寛人【写真:中戸川知世】
1年生ながら「4番・一塁」で先発した西武台・田代寛人【写真:中戸川知世】

千葉黎明から先制二塁打…1年生4番が好守に躍動

 第77回秋季関東地区高校野球大会は27日、横浜市のサーティーフォー保土ヶ谷で1回戦2試合を行い、西武台(埼玉)は2-3で千葉黎明(千葉)に敗れた。打線が千葉黎明の2投手に計2安打に抑えられる中で目を引いたのが、1年生ながら「4番・一塁」で先発し、初回に先制二塁打を放った田代寛人だ。体重105キロという巨体だが、7回には俊敏な動きでフライをダイビングキャッチするなど、俊敏さも兼ね備える。本人が冬の減量希望を口にする中、河野創太監督の見方は違う。今のままでいいとする理由とは。

 コンパクトに振りぬいたバットから、矢のような打球が左翼手の頭を越えた。田代は初回2死二塁で打席に立つと、豪快な先制二塁打を放った。「いい形で自分に回ってきたので、何とかして返したいという気持ちで振りぬいたら、結果として点につながった」と淡々。4回には無死三塁という絶好機に空振り三振に倒れており「得点圏のところでもっと打って、チームに得点を与えられるようなバッターになりたい」と、試合後は課題が口をついた。

体型からは想像できないような俊敏さを誇る田代寛人【写真:中戸川知世】
体型からは想像できないような俊敏さを誇る田代寛人【写真:中戸川知世】

 身長172センチ、体重105キロというぽっちゃり型の巨体はいやでも目を引く。力のある打球を飛ばす源でもあるが、今後は「今よりも10キロくらい落としたい」と減量願望がある。チームが機動力を生かすスタイルということもあり「もっと自分が出塁して、機動力を動かせるとなれば、作戦の形も増える」。現在7秒3がベスト記録の50メートル走で、6秒台を残したいという野望もあるという。

 一方、チームを率いる河野監督の見解は違う。「やっぱり雰囲気がありますから。どっしり構えてくれていますし、大会でもかなり打率を残してくれていたので。やっぱり彼以外いない」と1年生を4番に据える理由を口にするほど、田代のプレーにほれ込んでいる。

 そして「いい意味で筋肉をつけて体脂肪を落としていけば、別に今の体重のままでもいいのかな」。現在でも体型からは想像できないような俊敏さを誇り、この試合でもフライをダイビングキャッチ。さらに「人気者になれる体型」とまで言う。

 西武台の甲子園出場は、1988年の選抜が唯一。今大会の初戦敗退で、来春の選抜出場は絶望的となった。初めてとなる夏の甲子園出場へ進化を目指すこの冬、期待の1年生主砲はどちらの道を歩むのか。

(THE ANSWER編集部・戸田 湧大 / Yudai Toda)

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