[THE ANSWER] スポーツ文化・育成&総合ニュースサイト

球場包んだ異例の大合唱の“続き” 敗戦校から武相が受け継ぐスポーツマンシップ「素晴らしいアイデアを…」

第106回全国高校野球選手権の神奈川大会は23日、横浜スタジアムで準決勝を行い、武相は横浜に1-2でサヨナラ負けを喫し姿を消した。1968年以来56年ぶりの甲子園出場は叶わなかったが、14年ぶりの4強進出。この試合のスタンドで、武相の応援団は18日の5回戦で対戦した立花学園の思いを受け継ぎ、合唱曲「虹」を大熱唱した。両校の応援席が試合中に合唱するという超異例の光景には、続きがあった。

クーリングタイムで合唱曲「虹」を熱唱した武相応援席【写真:中戸川知世】
クーリングタイムで合唱曲「虹」を熱唱した武相応援席【写真:中戸川知世】

第106回全国高校野球選手権・神奈川大会

 第106回全国高校野球選手権の神奈川大会は23日、横浜スタジアムで準決勝を行い、武相は横浜に1-2でサヨナラ負けを喫し姿を消した。1968年以来56年ぶりの甲子園出場は叶わなかったが、14年ぶりの4強進出。この試合のスタンドで、武相の応援団は18日の5回戦で対戦した立花学園の思いを受け継ぎ、合唱曲「虹」を大熱唱した。両校の応援席が試合中に合唱するという超異例の光景には、続きがあった。

 敗れたチームの思いを乗せて、横浜スタジアムでも歌声を響かせた。試合が5回を終えると、熱中症対策のために設けられた10分間のクーリングタイムがある。内野に陣取った武相の応援団が肩を組み、左右に揺れながら「虹」を歌い出した。野球部員で応援団長を務めた沼崎吾朗(3年)は「スタジアムは歌っていて気持ち良かった」と白い歯をのぞかせた。

 対戦校から受け継いだ行動だった。この大会、立花学園の応援団が「5回まではノーサイド、両校を応援する」という思いとともに、クーリングタイムになると相手校の応援団に「虹」を合唱しましょうと呼びかけ続けた。なかなかうまくいかず、ようやく相手校を巻き込むことができたのが、18日の5回戦。応えたのは武相だった。

 対戦相手を敬うスポーツマンシップを体現した球児たち。その行動には“続き”まであった。

 武相の応援団は、続く横浜隼人との準々決勝からこの「虹」を歌い始めた。「メンバーも『やってくれ』という感じだった」と沼崎。さらに「立花学園さんが素晴らしいアイデアをくれた。『その思いも乗せて、自分たちは戦わなきゃな』と思って」。グラウンドに立つメンバーだけでなく、スタンドも敗れていったチームの思いを背負って戦っていた。

 武相は1-2で横浜にサヨナラ負け。56年ぶりの甲子園出場を目指した夏が終わった。高校球児がつないだ思いと、受け継いだスポーツマンシップは夏の記憶に刻まれた。

(THE ANSWER編集部・山野邊 佳穂 / Kaho Yamanobe)

W-ANS ACADEMY
ポカリスエット ゼリー|ポカリスエット公式サイト|大塚製薬
DAZN
ABEMA Jleague
スマートコーチは、専門コーチとネットでつながり、動画の送りあいで上達を目指す新しい形のオンラインレッスンプラットフォーム
THE ANSWER的「国際女性ウィーク」
N-FADP
#青春のアザーカット
One Rugby関連記事へ
THE ANSWER 取材記者・WEBアシスタント募集