「邪念が入った自分を後悔」 慶応・森林監督を救った復活エース、今夏初登板の小宅雅己が好救援
日本一が胴上げ投手に与えた自信
難しい場面での登板にも「落ちついて投げられた」と小宅。慶応ナインの笑顔がはじける。その後9回には3安打を浴び2死満塁まで迫られるも、鈴木健を一邪飛に打ち取り試合を締めくくった。「甲子園を経験して、ピンチの場面でも動じずに自分のピッチングができるようになった」。日本一の経験が自信となっている。
慶応は昨夏、107年ぶりの全国制覇を達成。小宅は土浦日大との準決勝で完封するなど、甲子園で5試合に登板し、最後は真夏の甲子園で胴上げ投手となった。一方で、その後の秋は桐光学園に0-4、今春は横浜に4-9で敗れ、どちらも県8強で姿を消している。再び頂点を目指す夏、エースの復活は欠かせない。
捕手の加藤右悟主将(3年)とは、栃木・宇都宮ボーイズでプレーした中学時代からバッテリーを組み、昨夏の全国制覇も一緒に経験した。当時からの変化を問われた加藤は「2人とも体が大きくなった」とニッコリ。小宅のボールも「キレが増している」と成長を実感している。小宅も加藤には「マウンドで自分の表情が硬くなっていたのか、『いつも通り頼むぞ』と和らげてくれた」と厚い信頼を寄せる。
次戦は18日に桐蔭学園と対戦する。継続試合の影響で実質3連戦となるが小宅は「自分のできることをしっかりやってチームに貢献したい」ときっぱり。エースの力投で勢いづいた慶応ナインが、さらにギアを上げていく。
(THE ANSWER編集部・山野邊 佳穂 / Kaho Yamanobe)