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「江ノ電愛」貫く七里ガ浜ナインが駆けた夏 走る電車と集合写真で話題に…歴史を変えた6年ぶり1勝

第106回全国高校野球選手権の神奈川大会は11日、サーティーフォー相模原などで2回戦を行い、七里ガ浜は新羽に8-15で7回コールド負けを喫した。ただスタンドを沸かせたのは、2度に渡って追いつく粘りの野球だ。学校のすぐ脇に広がる大海原と、江ノ電を愛する青いユニホームのナインはこの夏、2018年の南神奈川大会以来、6年ぶりとなる夏1勝を挙げ、チームの歴史に名を刻んだ。

まるで電車もチームメート…七里ガ浜がプログラムに掲載した実際の写真【提供:七里ガ浜高野球部】
まるで電車もチームメート…七里ガ浜がプログラムに掲載した実際の写真【提供:七里ガ浜高野球部】

江ノ電とナインの集合写真で注目…海岸で鍛えた粘りの野球

 第106回全国高校野球選手権の神奈川大会は11日、サーティーフォー相模原などで2回戦を行い、七里ガ浜は新羽に8-15で7回コールド負けを喫した。ただスタンドを沸かせたのは、2度に渡って追いつく粘りの野球だ。学校のすぐ脇に広がる大海原と、江ノ電を愛する青いユニホームのナインはこの夏、2018年の南神奈川大会以来、6年ぶりとなる夏1勝を挙げ、チームの歴史に名を刻んだ。

 神奈川大会の公式プログラムは、今夏も167ページに及ぶ重厚なつくり。毎年のように売り切れる人気を誇り、各校ナインの集合写真とチーム紹介が詳細に掲載されている。その中でこの2年間、ぱっと目に付く集合写真で話題をさらっているのが七里ガ浜だ。

 ナインがポーズを決める背後に写っているのは、校舎のすぐわきを走り、多くの生徒が通学に利用する江ノ電。サザンオールスターズの「鎌倉物語」にも登場する可愛い電車と“並んだ”集合写真撮影を昨年から始め、プログラムに掲載するようになった。
 
 今年は校舎もバックに入れようと構図を変更。撮影時は、江ノ電が通過する時間を調べて部員が待機し、NGなしの“一発撮り”で成功したという。校舎の目の前に広がる海まで、日本で最も近い高校というのも特徴。校庭を使用できない年末にはひたすら砂浜を走り、プレーにつながる粘り強さも身につけた。

 この夏の七里ガ浜は、プログラムの話題に負けない戦いを見せた。8日の1回戦では荏田を6-4で下し、2018年の南神奈川大会以来となる夏1勝。そしてこの日の2回戦は最終的にコールド負けを喫したものの、2度にわたって追いつく粘りで終盤まで熱戦を展開した。
 
 1-5と4点を追う4回に3得点、5回にも1点を追加し5-5の同点に。その裏再び3点差とされても、7回には打者8人が粘り強くつないで再び8-8とした。平日にもかかわらず駆け付けた応援団を前に、ブルーのユニホームを泥だらけにして戦った。最後は新羽の猛攻に力尽きたものの、「3番・二塁」で出場した佐藤良亘主将(3年)は「途中まで粘れていたところが最後に粘れなかった。もう少しみんなとやりたかった」。悔しさが口をついたが、最後まであきらめない姿を見せつけた。

 夏1勝を目標に掲げてきた七里ガ浜ナイン。あと一歩まで迫った次の1勝は叶わなかったが、部の歴史を動かしたことに違いはない。「このチームでやってきた粘り強さを生かしていきたい」と佐藤。自慢の学校で仲間と過ごした時間を、ナインは人生の糧にしていく。

(THE ANSWER編集部・山野邊 佳穂 / Kaho Yamanobe)

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