精華女子が2年連続全国へ 実った試行錯誤の守備強化「一番きつい練習を笑ってやった」
高校バスケットの冬の祭典「ウインターカップ」(第71回全国高校バスケットボール選手権大会)福岡県大会は、3日にアクシオン福岡で男女の決勝を行い、女子は精華女子が82-55で東海大福岡を下し、2年連続3度目の全国大会出場を決めた。
東海大福岡を破り3度目の全国切符、大上HC「自分たちのリズムで試合をできた」
高校バスケットの冬の祭典「ウインターカップ」(第71回全国高校バスケットボール選手権大会)福岡県大会は、3日にアクシオン福岡で男女の決勝を行い、女子は精華女子が82-55で東海大福岡を下し、2年連続3度目の全国大会出場を決めた。精華女子の大上晴司ヘッドコーチは「序盤から自分たちのリズムで試合をできた。インターハイの後、守備の練習をやってきた。一番きつい練習を笑ってやるようになった。リバウンドからブレイクが自分たちの色が出せる瞬間。一番強調してやってきた。最初に1年生の中園(陽菜乃)が中央から(速攻で)レイアップに行ったが、あれが良かった。練習のリズム通り。その後、3ポイント3本入ったのが、主導権を握れた要因。まず、迷わずに行ったプレーが(後につながって)良かった」と、出だしのプレーを勝因に挙げた。
精華女子は、中園陽菜乃(1年)、樋口鈴乃(2年)、矢野聖華(3年)と3人が続けて3ポイントを決めて9点を先取。その後も、大上ヘッドコーチが「攻撃は、樋口にすべて任せている。信頼しているので、僕から指示を出すことはない」と全幅の信頼を置くポイントガードの樋口を中心に攻め立てた。一方、東海大福岡は、内藤唯(2年)のドライブや井浦菜依(2年)のリバウンドなどで対抗するが、外角シュートの精度が低く、得点力が伸びなかった。精華女子は、前半を終えて42-21とダブルスコアでリード。後半も付け入る隙を与えず、相手の攻撃を抑えて逆襲で得点を重ね、試合を押し切った。
注力してきたのは、守備の強化だ。昨年は、インターハイ、ウインターカップともに全国大会で強豪の大阪桐蔭(大阪)に敗れた。相手には、日本代表候補に選出歴のある竹原レイラ(三菱電機)がおり、マーカー以外の選手が守備を助ける組織的な守備を狙ったが、打開される展開が多くて機能しなかったため、今夏までは個々の対人能力を引き上げる方針に転向した。しかし、今夏のインターハイでは、高知中央(高知)の留学生を止められずに初戦敗退。再びゴール付近を連係して守る方針に戻した。二転三転したようにも映るが、チーム強化に欠かせない2つのポイントは、結びついた。大上ヘッドコーチは「今までは見なかった所を見られるようになって、守りやすくなった。危ないところに気付けるようになった」と個のレベルアップが連係強化に結び付いた手ごたえを語った。
試合で活躍した樋口は、守備力強化の典型例だ。「守備が苦手で、自分のせいでAチーム対Bチームの試合でも、きん差になることがあった。ボールマンに対する守備を強化したし、トランジション(攻守の切り替え)もこだわってやってきたので、それを出せたと思う」と言葉に実感を込めた。昨年とも、今夏とも違うチーム力で冬の全国大会に挑む。目標は、ベスト8だ。樋口とともに攻撃の中心となった三浦舞華(2年)は「全然、ほっとはしていない。ここで気を抜いたら目標を達成できない。今まで以上の練習をしないといけないという気持ち。自分自身も点を決めた後にミスをしていたので、波をなくして、自分の良いプレーで得点を稼ぎたかったので悔しい」と勝利に満足せず、高みを見据えていた。全国大会は12月23日から東京で開催される。
(平野 貴也 / Takaya Hirano)