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離島だからこそ学べるものがある 13人の大島合同チーム、高校サッカー予選敗退も笑顔のワケ

10番を背負ってプレーした稲葉悠梧【写真:平野貴也】
10番を背負ってプレーした稲葉悠梧【写真:平野貴也】

高校生だけの試合は「本当に楽しくて、たまらない」

 ただ普段、高校生だけの試合を経験できない環境と比較して、公式戦をどう感じるかと聞くと、稲葉は「すごく楽しいです。やる前はめっちゃ緊張するんですけど、11人対11人で試合をするのは本当に楽しくて、たまらないです」と笑顔を見せた。島の大人やOBが加わって実戦形式でプレーすることはあるが、高校生同士ならではの速いプレッシングや球際のファイトが新鮮だったという。

 将来、サッカーに携わる仕事に就きたいと考えており、大学に進学してサッカー部に入って大人数で練習したいとも話した。島で活動する彼らが高校生だけの戦いができる公式戦は、年間3大会。新人戦とインターハイ予選、そして高校選手権予選だ。

 次の舞台は高校選手権の予選だが、夏を過ぎれば大学受験のために部活動を引退する選手も出てくる。稲葉は「選手が欠けたとしてもチームが崩れないように引っ張っていきたい」と話し、視線を上げた。勝つことばかりでなく、プロを育てることだけでもなく、1つの島で、2つの異なる文化をつなぎ、人を育てていく――。そんな高校サッカーもある。

(平野 貴也 / Takaya Hirano)

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