「俺はお前を許さないよ」 鹿島内定の昌平DF津久井、敗戦後も最後まで貫いた主将の姿
第101回全国高校サッカー選手権は2日、浦和駒場スタジアムで3回戦が行われ、第1試合では昌平(埼玉)が前橋育英(群馬)に1-2で敗れた。鹿島アントラーズ加入内定の主将DF津久井佳祐(3年)は試合終了のホイッスルが鳴るとなかなか立ち上がれず。その後ロッカールームでは、後輩たちに「俺はお前を許さないよ」とはっきり伝え、来年度の戦いに向けて奮起を促した。
昌平が前橋育英に1-2と逆転負け、主将・津久井は立ち上がれず
第101回全国高校サッカー選手権は2日、浦和駒場スタジアムで3回戦が行われ、第1試合では昌平(埼玉)が前橋育英(群馬)に1-2で敗れた。鹿島アントラーズ加入内定の主将DF津久井佳祐(3年)は試合終了のホイッスルが鳴るとなかなか立ち上がれず。その後ロッカールームでは、後輩たちに「俺はお前を許さないよ」とはっきり伝え、来年度の戦いに向けて奮起を促した。
前半3分にFC東京加入内定のMF荒井悠汰(3年)のゴールで先制した昌平。しかし10分後に同点に追いつかれると、後半10分には2点目を決められてしまう。その後、決定的なシーンを作った昌平だったが1点が遠く、1-2のまま試合終了の笛が鳴ると、津久井はピッチの上に倒れこんだ。相手MF小池直矢(3年)に声をかけられ、やっと立ち上がると最後に列に並んだ。
試合後、津久井は敗戦が決まった瞬間の場面について「試合が終わるまでは笑顔で楽しもうと思っていたんですけど。終わった時に悔しさとインターハイの怪我が本当に辛くて。周りには『大丈夫、大丈夫』と言っていたんですけど……」と振り返ると、そこで言葉に詰まった。数秒の間が空き、「それが一気にフラッシュバックして、なかなか立てなかったです」と続けたその目には、涙が浮かんでいた。
またロッカールームで、後輩たちに「今日はお前らのせいだ。自分たちを踏み台にしていいから、もっと上を目指してくれ」と伝えたと明かした津久井。「1、2年生が相手のプレスにビビって本当にイライラしていた。励ますのも良いかもしれないけど、それじゃアイツらの力にはならないと思うので。『俺はお前を許さないよ』と言いました」と、最後まで主将としての姿を貫いた。
これで津久井の高校サッカーは幕を閉じたが、戦いの舞台をプロへと移し、すぐに新たな挑戦が始まる。「個人として、今日は1回もやられていない。それを自信にして、レベルは格段に違いますけど、頑張りたいです」と、今後のさらなる活躍を誓った。
(THE ANSWER編集部・和田 秀太郎 / Shutaro Wada)