インハイ4強の八雲学園敗退 U-18代表・薮未奈海の涙、エースの自負が生んだ「空回り」
バスケットボールの第75回全国高校選手権「SoftBank ウインターカップ2022」の女子2回戦が24日、東京体育館と大田区総合体育館の2会場で行われた。今夏のインターハイで4強入りを果たした八雲学園(東京)は岐阜女子(岐阜)に50-76で敗れ、2回戦で姿を消した。U-18日本代表にも選ばれた薮未奈海(3年)は、徹底したマークに苦しみ9得点に終わった。厳しいチェックを受ける中、「『自分がやらなきゃ』という気持ちが強く、空回りしてしまった。冷静な判断ができていなかった」と吐露。エースの責任感ゆえに、周囲が見えなくなってしまったことを悔いた。
ウインターカップ2022
バスケットボールの第75回全国高校選手権「SoftBank ウインターカップ2022」の女子2回戦が24日、東京体育館と大田区総合体育館の2会場で行われた。今夏のインターハイで4強入りを果たした八雲学園(東京)は岐阜女子(岐阜)に50-76で敗れ、2回戦で姿を消した。U-18日本代表にも選ばれた薮未奈海(3年)は、徹底したマークに苦しみ9得点に終わった。厳しいチェックを受ける中、「『自分がやらなきゃ』という気持ちが強く、空回りしてしまった。冷静な判断ができていなかった」と吐露。エースの責任感ゆえに、周囲が見えなくなってしまったことを悔いた。
岐阜女子の固いディフェンスを前に、なかなか中に切り込めず、タフショットを強いられた。第2クォーターに入り、チーム全体が思うように攻撃できない時間が続く中、じわじわと広がる点差に焦りが募った。「自分たちのオフェンスが悪くなってきたときに、『最後は自分がやらなきゃ』という気持ちが強くあって、それが空回りしてしまった」。エースとして、キャプテンとして、チームを牽引するという強い意志が、薮の視界を狭くした。
「自分のところに(ディフェンスが)寄ってくるというのは意識していたけど、少し夢中になり過ぎていた自分がいたのかな、と。周りが空いているのに、自分がタフショットをしてしまったり……みんなを頼っていなかったわけではないけど、もっと自分が引き寄せて、起点となっていいパスができた部分もあったと思う」と涙を滲ませながら、反省の弁を述べた。
最後は自分の力を出し切れず、悔いの残る形で終わってしまったが、高校3年間を振り返って出てくるのは感謝の思いだ。「全国大会を何度も経験させてもらって、自分自身も日本代表に選んでもらった。楽しかっただけではないけど、辛かっただけでもない。本当にみんなに支えられてきたからこの3年間やってこられた」。涙を拭い、薮は前を向いた。
「もちろん、これで自分のバスケ人生は終わりじゃないので、この悔しさをしっかり忘れないで、繋げていきたい。もっとがむしゃらに、泥臭いプレーを積極的にしていける選手になりたい」と今後を見据えた絶対的エース。高校バスケで流した悔し涙は、次のステージで糧となり、薮をさらに成長させてくれるはずだ。
(THE ANSWER編集部・鉾久 真大 / Masahiro Muku)