名門・桜花学園の福王伶奈に欠かせない趣味 読書は「5分でもいいから時間見つけて必ず」
バスケットボールの第75回全国高校選手権「SoftBank ウインターカップ2022」が23日、東京体育館と大田区総合体育館の2会場で開幕した。女子1回戦では大会3連覇中の桜花学園(愛知)が福島東稜(福島)を106-55で下し、4連覇に向け好スタートを切った。11得点を挙げた192センチの長身センター、福王伶奈(2年)は、自分と向き合うために毎日欠かさず読書の時間を設けているという。「仲間はみんな相手にしてくれない」と苦笑いしながら、「個人の趣味」がいかにプレーに役立っているか明かした。
ウインターカップ2022
バスケットボールの第75回全国高校選手権「SoftBank ウインターカップ2022」が23日、東京体育館と大田区総合体育館の2会場で開幕した。女子1回戦では大会3連覇中の桜花学園(愛知)が福島東稜(福島)を106-55で下し、4連覇に向け好スタートを切った。11得点を挙げた192センチの長身センター、福王伶奈(2年)は、自分と向き合うために毎日欠かさず読書の時間を設けているという。「仲間はみんな相手にしてくれない」と苦笑いしながら、「個人の趣味」がいかにプレーに役立っているか明かした。
福島東稜の留学生センター、ジモー マリー アヨミデ(3年)とマッチアップした福王は「普通にぶつかっても勝ち目はないと思っているので、体の使い方や当て方を工夫して、対等に渡り合えるように練習してきた」と留学生対策を重ねて今大会に臨んだ。
今夏のインターハイでは、京都精華学園(京都)に試合終了直前で逆転負けを喫し、無念の3回戦敗退。福王はマッチアップしたナイジェリア出身のセンター、イゾジェ ウチェに26得点19リバウンドを許し、「夢にも何度も出てくるぐらい(対策を)重ねてきたけど、まだまだ足りない。今回は留学生を倒すことに気持ちを集中してきた」と雪辱の機会を伺っている。順当に勝ち進めば、準決勝で再戦することになる。
そんな福王にとって、欠かせないのが読書の時間だ。「気持ちを落ち着かせたり、自分を元気づけたりするときに読んでいる。時間がないときでも、5分でもいいから時間を見つけて必ず読むようにしている」といい、試合の前日も「源平姫」という歴史小説を読んで試合に備えた。
「平滋子という人が『何事も心がけ次第』という言葉を発していて、それが自分のモットーになっている。どんなときでも心がけ一つで結構変わると思っている」と、読書で学んだことはプレー中の考え方にも生かされている。ただ、「バスケというより、人生の岐路に立っているという感じで、自分を見つけ直すものとして読んでいる」と語るように、福王にとって読書は「バスケに役立つもの」以上の意味を持っているようだ。
しかし、チームメートにはなかなか理解してもらえないようで、「みんな相手にしてくれない。個人の趣味です」と苦笑い。「あんまり書かれると、また『オタク』って言われるから……」と更なる言及は避けたが、24度の優勝を誇る名門校でセンターを務める福王の落ち着きの理由が垣間見えた気がした。
(THE ANSWER編集部・鉾久 真大 / Masahiro Muku)