メンバー外の仲間のために 東山の“急成長”FW芦谷、努力で掴んだ選手権初ゴール
第100回全国高校サッカー選手権は2日、駒沢陸上競技場で3回戦が行われ、第2試合では東山(京都)が3-0で長崎総科大附(長崎)に勝利を収めた。東山は前半から試合を優位に進め、3得点。勝利の裏にはひたむきに努力を重ねてきた選手の姿があった。
長崎総科大附を3-0で破り8強進出、準々決勝で青森山田と“再戦”へ
第100回全国高校サッカー選手権は2日、駒沢陸上競技場で3回戦が行われ、第2試合では東山(京都)が3-0で長崎総科大附(長崎)に勝利を収めた。東山は前半から試合を優位に進め、3得点。勝利の裏にはひたむきに努力を重ねてきた選手の姿があった。
試合終了の瞬間、選手たちの顔に満面の笑みが広がった。長崎総科大附を相手に3点差での勝利。1-0の後半23分に貴重な追加点を挙げたFW芦谷斗亜(3年)は試合後、「なんとかもう1点取って、チームを楽にさせたい気持ちで次の点を狙いにいった」と振り返った。
選手権まで決して順風満帆ではなかった。芦谷は1年生ではCチームに所属。一時期はFWをはじめ、サイドハーフ、サイドバックも経験した。「試合に出るためにどのポジションを狙っていけるか」。トップで活躍するために、当時所属していたBチームのコーチとも相談し、FW一本で勝負する道を選んだ。
球際で相手DFを抑えられるFWになる。そのために「食事やウエートトレーニングなど体づくりを中心に人一倍頑張った」と、これまでの努力を明かした芦谷。「夏より体が一回り大きくなって、前線で時間を作れるようになった」と自身で今大会までの成長を実感すれば、福重良一監督も「府大会予選終わってから、全国大会まですごく成長してくれた。良い選手という評価で先発を続けてもらっている」と賛辞を送った。
芦谷は得点を挙げた後、スタンドに向かってガッツポーズ。その理由について問われると、「一緒にやっていた選手たちが応援に来てくれて、『絶対に全国(選手権)で決めてくれよ』と出発前に声をかけてくれた。絶対に全国で1ゴールを届けたいと思っていた」と試合前のやり取りを明かした。
4日に行われる準々決勝の相手は優勝候補筆頭の青森山田。夏のインターハイでも準々決勝で顔を合わせており、2-5で敗れている。芦谷はこの大会には同行することができず、京都から試合を見届けたが、選手権での再戦に向けて「押し込まれる時間が続くと思うが、前線の2人で攻撃の起点になりたい」と決意を口にした。
試合に出場できない仲間たちの期待に応えるべく、次戦もゴールを奪いにいく。
(THE ANSWER編集部・関 臨 / Nozomu Seki)