流経大が“チョウ魔術”でインカレ4強 Jリーグ監督の10分間指導に感謝「迷わずにできた」
昨季コーチの助言を「全員がなるほどと思ってやっている」
10分間のアドバイスが生きたのは、当然、昨年1年間の指導がベースにある。菊地は「昨年も似たようなことを言われていた。初戦はズルズルとラインが下がったけど、怖がらずラインを下げずに止めれば、(相手のロングパスから生まれるこぼれ球を)処理しやすくなる。それが上手くいって、チョウさんが言ってくれたとおりになった。全員がなるほどと思ってやっているから、自信を持って迷わずにできた」と手応えを語った。
中盤の底に位置するアンカーを務めた熊澤も「良い入りができて、終始良いペースで進められた。最終ラインが上がった時に、自分も一つポジションを上げて、前にいる藤井海和(1年)と菊地を押し上げて、セカンドボールを高い位置で取るように意識した」と曹監督の助言を実行。全体を押し上げて選手間の距離を詰め、連動性を高めることで、相手のロングパスによる守備網の前後分断を回避することで優位に試合を進めることができた。
曹監督は、チームからのベンチ入り要請には応えず、スタンドで見守るにとどめたが、今後も日程が可能であれば部分合流する意向だという。川崎フロンターレに加入内定のDF佐々木旭(4年)は「あれがなかったら、今日もいい試合ができていなかったと思う。このまま優勝に向かって頑張っていきたい」と、プロの舞台に戻ってからも助言をくれた昨季のコーチに感謝を示した。
流経大は、18日に行われる準決勝では、阪南大学(関西地区第4代表)と対戦する。恩返しの日本一まで、あと2つの勝利をつかみにいく。
(平野 貴也 / Takaya Hirano)