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慶大・下山悠介のサヨナラ弾で4冠王手 不振でも「下山でダメなら仕方ない」と信頼絶大

第52回明治神宮野球大会(神宮球場)は24日、大学の部・準決勝が行われ、慶大が神奈川大に6-4でサヨナラ勝ちを収めた。4打数無安打に抑えられていた下山悠介内野手(3年)が、同点で迎えた9回に値千金のサヨナラ2ラン。思うような打撃ができていなかった3番打者の一振りで、大学4冠に王手をかけた。

サヨナラ2ランを放った慶大・下山悠介【写真:中戸川知世】
サヨナラ2ランを放った慶大・下山悠介【写真:中戸川知世】

明治神宮大会大学の部・準決勝で神奈川大を下す

 第52回明治神宮野球大会(神宮球場)は24日、大学の部・準決勝が行われ、慶大が神奈川大に6-4でサヨナラ勝ちを収めた。4打数無安打に抑えられていた下山悠介内野手(3年)が、同点で迎えた9回に値千金のサヨナラ2ラン。思うような打撃ができていなかった3番打者の一振りで、大学4冠に王手をかけた。

 不調の3年生がチームを救った。4-4の9回裏、神奈川大4番手の最速152キロ右腕・神野竜速(りゅうどう、3年)を攻め、1死三塁とチャンスを作る。打席には下山。堀井哲也監督から「余計なことは考えるな。振り抜いていけ」と助言をもらうと、初球の内角直球を右翼席に運び、試合を決めた。ホームイン後はナインと抱き合い、ヘルメットを叩かれた。

 今秋、不振にあえでいた下山。東京六大学・秋季リーグ戦で優勝を決めた早大との最終節2連戦は8打数無安打3三振と貢献できなかった。リーグ戦後は、センター返しの打撃を心掛けたという背番号6。東農大北海道オホーツクとの初戦で適時打を放ち、復調の気配を見せていた。この日は最終打席まで4打数無安打だったが、一振りで結果を出した。

 試合後のオンライン会見で、下山は「正木さんに繋いでいく」という気持ちだったと明かした。続く4番打者は今秋ドラフトでソフトバンクに2位指名された強打の外野手・正木智也(4年)。この試合でも4打数4安打と大当たりだっただけに、繋ぐ気持ちで打席を迎えていた。

 劇的勝利を収めた慶大は、25日の決勝で中央学院大と対戦。リーグ戦から11連勝を記録するなど乗っている相手だ。下山は「4年生が素晴らしいチームを作ってくれた。下級生がプレーに集中できる環境が出来ている」と感謝を口にしながら、「勝っても負けてもこのチームでやるのは最後。集大成を見せられるように」と決意を述べた。

 慶大は今季春秋リーグ戦、全日本大学野球選手権を制しており、明治神宮大会で優勝すれば東京六大学史上初の年間4冠となる。堀井監督にも「ここまで安打が出ていなくてもミート力のある打者。下山で打てなかったら仕方がないと思っていた」と信頼を寄せられている下山。有終の美を飾るために、再び期待がかかる。

(THE ANSWER編集部・和田 秀太郎 / Shutaro Wada)

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