「東京五輪メンバーが必ずいる」― 春高バレー、山本隆弘氏が注目する「2人の原石」
20年に控える東京五輪「必ず、メンバーに入って来る選手がいる」
12月21日。大塚製薬が企画し、テニス、サッカー、バスケットボール、バレーボール、柔道、バドミントンを通じて、全国170校の部活生を応援する「ポカリスエット エールキャラバン」の一環として兵庫・報徳学園高を訪問し、講演を行った。
中学1年秋、部員1人で廃部寸前となり、同級生に誘われて入ったバレーボール部。未経験ながら、3年間で34センチ伸びた身長192センチの大器を買われ、県内屈指の強豪・鳥取商から声がかかった。「全くの素人」だったというが、指揮官に将来を見込まれ、いきなりレギュラーに抜擢された。
「初めて出た試合はものすごく緊張した。左利きだから『サーブを打たれた瞬間にライトに走れ』と指示が出た。ボールも見ないで無我夢中で走ったら、ボールが頭に当たった。でも、監督が笑い飛ばしてくれて使ってくれたから、やっていけました」
こうして着実に成長し、2年生で春高バレーに出場。しかし、自らの代となった3年時は「優勝候補」と言われながら、県大会準決勝で敗退。出場権を逃した。この時、負けたことを初めて「悔しい」と思ったという。
「自分がチームを全国に導けずに不甲斐なさ。練習中から、負けたシーンを常に自分の頭に置きながら『あの時、どうすれば決められたのか』と思い続けることで、成長することができたと思っています」
その経験が、五輪まで続くバレー人生の飛躍につながったという。それほど、春高バレーには一人のバレー人生を変える魔力がある。最後に、今大会に向け、選手とファンへのメッセージをもらった。
「選手たちは一発勝負で、高校3年間でやってきた集大成。悔いのないように力を出し切って、勝敗を決してほしい。ファンの方々は2020年の東京五輪がある。必ず、メンバーに入ってくる選手がいる。自分が選ぶ日本代表という感覚で見てほしいと思います」
(THE ANSWER編集部)