ユースでの弱みが高校での強みに 流経大柏MFが明かす高校サッカー「無茶」な特権
その瞬間、フクダ電子アリーナにはどよめきが巻き起こった。発端は、背番号「10」を身につける、身長160センチの“小さな巨人”だった。
流通経大柏が大分西に3-0快勝、エース菊池は2得点と大車輪の活躍
その瞬間、フクダ電子アリーナにはどよめきが巻き起こった。発端は、背番号「10」を身につける、身長160センチの“小さな巨人”だった。
第96回全国高校サッカー選手権は2日、各地で2回戦が行われ、インターハイ王者の流通経済大柏(千葉)は大分西(大分)に3-0で大勝を収めた。MF菊池泰智(3年)は2得点を記録。エースナンバーにふさわしい活躍を披露してみせた。
スコアが動いたのは試合開始わずか3分。ピッチ中央でボールを受けた菊池は右足の巧みなファーストタッチで相手DFを瞬時にかわすと、30メートルはあろう距離からワンステップで圧巻のミドルシュート。ゴール左に突き刺さり、度肝を抜く一振りで流通経大柏に先制点をもたらした。
後半4分には、右サイドからこちらも強烈なミドルシュートを叩き込み、計2得点。この活躍には名将・本田裕一郎監督も「菊池はなんでもできて、どこのポジションで出しても何かを起こせる選手」と舌を巻いた。
菊池本人は鮮烈な先制点の場面を「打とうと思っていた時には、すでに打っていた」と感覚的なゴールであったことを振り返った。一方で、彼の持ち味はそれだけではない。とにかく前線からのハイプレスが激しい“ファースト・ディフェンダー”ぶりも目を見張るものがある。
そんな天才と汗かき屋の両面を揃える菊池だが、中学1年生の時に浦和レッズのジュニアユースへ入団したものの、昇格は叶わず、流通経大柏への進学を決めた背景があった。