辞退は「サッカーにも起こり得る」 コロナ禍の選手権、出場校が感じた“感謝と恐れ”
第99回全国高校サッカー選手権が12月31日、首都圏8会場で一斉に開幕し、各地で熱戦が繰り広げられた。新型コロナウイルスが猛威を振るう中、48代表校に用意された檜舞台。出場した選手、関係者はどのように感じたのだろうか。
第99回全国高校サッカー選手権が12月31日に開幕
第99回全国高校サッカー選手権が12月31日、首都圏8会場で一斉に開幕し、各地で熱戦が繰り広げられた。新型コロナウイルスが猛威を振るう中、48代表校に用意された檜舞台。出場した選手、関係者はどのように感じたのだろうか。
新型コロナウイルスの感染拡大の影響により、今年度は史上初めて夏のインターハイが中止に。苦しい時期を乗り越え、48代表校による全国制覇を目指した戦いが始まった。例年、出場全チームが1会場に集まる開会式は規模を縮小。行進は事前に撮影したVTRが場内ビジョンで放映され、試合は保護者、学校関係者、応援団のみが観戦する中で行われた。
歓声はほぼなく、ピッチ上の声が響き渡る。観客席の多くが空席となった大会でも、選手は出場できる喜びを感じたようだ。この日、2試合が行われた等々力陸上競技場。PK戦の末に敗退した星稜(石川)の主将・FW千葉大護(3年)は試合後の会見で「インターハイがなくなり、選手権があることになってチーム皆が喜んだと思う」と口にした。
FKを直接決めて得点もマークした。「僕自身も初めての選手権。憧れの所でもあったので、観客はいなかったけれど、自分のこれからの人生においてとてもいい経験になった」と、大舞台でサッカーができた喜びを噛みしめるように話した。
星稜とのPK戦で1本シュートを止め、勝利に貢献した作陽(岡山)のGK徳本乃耶(だいや・3年)は「ちょっとした楽しみも制限しなければならなかったが、選手権という舞台のために頑張ることができた」と明かす。食事で向かい合わせとなることを避けるなど、これまでのように会話をすることすらはばかられる状況などを耐え忍び、全国1勝を手にした。