前園真聖氏が高校サッカー部員を叱咤 厳しい言葉に秘められた思いとは
自分の好きなことに手を抜いているようでは何をやってもダメ―
「(部活に励む生徒たちは)好きでサッカーをやっていると思うんですけど、その後の将来の道はそれぞれ違ってきますよね。例えば、高いレベルでプロを目指している子もいますが、そうじゃない子が大多数で、ほとんどの人が社会人として別の仕事に就くことになります。でも違う道に進むにしても、自分の好きなこと、つまりサッカーで手を抜いているようでは、何をやってもダメだと思うんです」
このイベントに臨むに当たって、前園氏はキーワードとして「向上心」を挙げている。
「これはサッカーに限らずですが、何かひとつでも新しいことを吸収したい、学びたいという気持ちが自分自身を向上させます。例えば『リフティングが上手くなりたい』、『パスがもう少しうまくなりたい』、『シュートを決められるようになりたい』、そういった気持ちを持って達成できれば、また新たなことに挑戦しようという意欲が生まれます。それはサッカーをやめてからもビジネスパーソンになった時も一緒だと思います」
サッカーに限らず、中高生には「向上心」と「責任感」を持って臨んでほしい。その意識づけがその後の人生につながる――。
前園氏に叱咤されたサッカー部の生徒たちは、トレーニング終盤には激しいボールの奪い合い、味方のために労を惜しまず走る献身性を見せるようになった。そういった小さなプレーの積み重ねが、サッカーだけでなくその先の人生につながっていくに違いない。
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ジ・アンサー編集部●文 text by The Answer