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王者を翻弄した帝京長岡・田中 Jも注目の技巧派が大学で追いかける“もう一つの夢”

第98回全国高校サッカー選手権は11日、準決勝が埼玉スタジアム2〇〇2で行われた。新潟県勢初の決勝を目指した帝京長岡(新潟)は、前回大会王者の青森山田(青森)に1-2で敗れた。唯一の得点をあげたMF田中克幸(3年)は、プロチームからの誘いがありながら大学進学することを明かした。

準決勝で帝京長岡の唯一の得点をあげた田中克幸【写真:宮内宏哉】
準決勝で帝京長岡の唯一の得点をあげた田中克幸【写真:宮内宏哉】

青森山田から唯一の得点…卒業後は明大進学、ファッションビジネスを学ぶ予定

 第98回全国高校サッカー選手権は11日、準決勝が埼玉スタジアム2〇〇2で行われた。新潟県勢初の決勝を目指した帝京長岡(新潟)は、前回大会王者の青森山田(青森)に1-2で敗れた。唯一の得点をあげたMF田中克幸(3年)は、プロチームからの誘いがありながら大学進学することを明かした。

 個人技で沸かせた。2点を追う後半32分。センターライン付近でボールを拾った田中は、青森山田陣内に一気に駆け上がった。フェイントで1人、2人……。最後はペナルティエリア内で3人目をかわし、左足でゴール左隅に叩き込んだ。「相手の動きを見たり、ドリブルで(マークを)外したり、シュートの精度は自分の特徴だと思っている」。王者・青森山田の守備陣を翻弄して見せた。

 Jリーグからも勧誘が来るほどのテクニシャンだが、卒業後の進路は大学選手権優勝の明大に決めた。「自分の課題というのは守備。守備のレベルがすごく高くて、ここ(明大)に入ったら間違いないなと思った。一番自分が成長できる環境にあると思い、決断した。明治には伝統的な守備がある。対人能力などを付けたい」。最終的な目標は日本代表。Jリーグ、海外リーグでプロになることを目標に、大学で己を磨く。

 明大に進学する理由はそれだけではない。第一の目標はプロサッカー選手だが「第2の夢」として、サッカー人生が終わった後はファッション関係の仕事に就きたいと考えている。父の知人が衣服店を経営していたことなどから、幼いころからファッション関係の仕事に興味を持ち、休日は姉と服を買いに行くなど小遣いもファッション関係に費やしたという。「サッカー人生が終わったらそういった選択肢を考えたいと思っていて、明治大学の商学部にはファッションビジネス論がある。そこで学びたいと思った。(将来は)自分が理想とする店を開きたいと考えたりする」。サッカーのみではない人生を考えていた。

 岡山・真庭市でプレーしていた中学生時代。SNSで帝京長岡のサッカー動画を見て魅了され、進学を決めた背番号7。「ベスト4までこれたことが満足ではない。優勝が目的であり、このメンバーで優勝することはできたと思うし、悔しい部分はあるが、青森山田相手にこういうサッカーができ、最高の仲間に出会えた」。最後はすがすがしい表情でピッチを後にした。

(THE ANSWER編集部・宮内 宏哉 / Hiroya Miyauchi)

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