静岡学園、劇的“さよならPK” 鹿島内定の松村が今大会初G「こういうことだな」
第98回全国高校サッカー選手権は11日、準決勝が埼玉スタジアム2〇〇2で行われた。静岡学園(静岡)は後半アディショナルタイム終了間際にMF松村優太(3年)がPKを決め、矢板中央(栃木)に勝利。“さよならPK”で24年ぶりの決勝進出を決めた。13日の決勝(埼玉スタジアム2〇〇2)は前回王者の青森山田(青森)と対戦する。
後半ATにPKで決勝点、24年ぶり決勝は青森山田と
第98回全国高校サッカー選手権は11日、準決勝が埼玉スタジアム2〇〇2で行われた。静岡学園(静岡)は後半アディショナルタイム終了間際にMF松村優太(3年)がPKを決め、矢板中央(栃木)に勝利。“さよならPK”で24年ぶりの決勝進出を決めた。13日の決勝(埼玉スタジアム2〇〇2)は前回王者の青森山田(青森)と対戦する。
集中した。0-0で迎えた後半アディショナルタイム終了間際につかんだ最大のチャンス。「これ外したら負けるな」。自ら仕掛けてPKを得た松村は、四方からの歓声をシャットダウン。冷静にゴール右隅に蹴りこんだ。喜びを爆発させ、自軍ベンチの味方に向かって滑り込む。もみくちゃにされている間に、試合終了のホイッスルが鳴り響いた。チームを24年ぶりの決勝に導く“さよならPK”は、今大会の自身初得点だった。「決勝がかかっている舞台で自分の得点で勝利をたぐり寄せることができた」と安堵の表情を浮かべた。
矢板中央の堅い守備に苦しんだ。打ち込んだシュートは24本。コーナーキックも12本あったが、最後まで全員で守備を固める相手にてこずった。PK戦突入か――。イレブンの頭によぎり始めた後半終了間際、松村が仕掛けた。「ワンツーすればスピードに乗れる」。敵陣エリア内にいたMF小山尚紀(3年)に浮かせたパスを送り、ゴール前へ猛進。絶妙なパスが帰ってきたところで、倒された。「最初から自分で蹴ると決めていた。(試合終了のホイッスルは)終わりの笛が聞こえないくらいだったが、みんながすごく喜んでいるので『終わったんだな』と」。PK成功後は我を忘れて喜んだ。
J1鹿島内定の実力者だが、今大会は無得点だった。しかし、得点のない中でも「自分は大舞台に強い」という思いは持ち続けていた。思いは実を結び、初得点でチームを決勝に導いた。「自分で言うのもなんですけど『こういうことだな』と(笑)。今日は取れると思っていたが、なかなか来ないなと思っていたら最後に来ました」と大物の片りんをうかがわせた。
決勝の相手は絶対王者・青森山田。「僕たちの代の中で一番強いチームだと思う。その中でも、自分たちのスタイルを貫けば戦える相手だと思う。ここまで来たら日本一しか狙っていないので、しっかり勝ちたい」と松村。24年ぶりの優勝を成し遂げ、サッカー王国静岡に久しぶりの栄誉を持ち帰る。
(THE ANSWER編集部・宮内 宏哉 / Hiroya Miyauchi)