[THE ANSWER] スポーツ文化・育成&総合ニュースサイト

好調イングランドを封じた南アの鉄壁の防御 菊谷崇「強化方針の結果が凝縮された」

菊谷氏が選ぶ決勝戦のMVPは「SOポラードと1番PRムタワリラ」

 僕はこの試合のMVPに、SOポラードと1番PRムタワリラを推したいですね。ポラードは途中、PGを狙う距離がどんどん延びました。一度は自陣からも蹴りましたよね。結局、成功はしませんでしたが、敵陣深くまで進んでディフェンス勝負ができる。キックを蹴り返されたとしても、ハーフウェー付近からカウンターを仕掛けられる。いずれにしても南アフリカに有利な展開に持ち込めるんです。通常のキックではボールをチェースできるのは多くて3人くらい。でも、PGからだったら全員がチェースする準備が整った状況から始まるので、楽な選択になるんです。そういった点も考えながら、ポラードは優位に試合を進める状況を整えました。

【注目】育成、その先へ 少年・少女、保護者や指導者が知りたい現場の今を発信する野球育成解決サイト『First-Pitch』はこちらから

 ムタワリラは“ビースト”という愛称通り、スクラムで対面に立つイングランドの3番PRに襲い掛かりました。シンクラーの脳震とうで、前半2分から試合に出なければいけない状況になったコールは、体も心も準備が難しい状態と思います。そこで組んだファーストスクラムで圧倒された。いきなりコールの心を折りにいったビーストはさすがでした。

 イングランドは準決勝のニュージーランド戦でのダメージが大きかったのかもしれません。ニュージーランドを倒すために、2年半も準備を重ねてきたわけですから。この日は自分たちのラグビーがさせてもらえず、悔しい思いをしたと思います。2位って本当に残酷な立場に置かれるんですよね。目の前では優勝したチームが大喜びをしている。2位も誇れる結果ですが、結局のところ優勝以外は全部負け。イングランドの選手はメダルをすぐに首から外したり、LOイトジェは首にも掛けてもらわなかったり。賛否はあると思いますが、そこまで悔しいというのが本心でしょう。

 最後に大きな悔しさを味わったイングランドは、4強に進んだ中で選手の平均年齢が一番若かった。イトジェ、カリー、アンダーヒルといった若手選手がどう成長するのか。2023年のW杯が本当に楽しみだと思います。

 W杯は閉幕してしまいましたが、この大会で生まれた盛り上がりはキープしていきたいですね。高校、大学ラグビーはシーズン中ですし、1月にはトップリーグが始まります。今度は国内のラグビーが盛り上がることを期待したいと思います。

(THE ANSWER編集部)

1 2 3
W-ANS ACADEMY
ポカリスエット ゼリー|ポカリスエット公式サイト|大塚製薬
DAZN
スマートコーチは、専門コーチとネットでつながり、動画の送りあいで上達を目指す新しい形のオンラインレッスンプラットフォーム
THE ANSWER的「国際女性ウィーク」
N-FADP
#青春のアザーカット
One Rugby関連記事へ
THE ANSWER 取材記者・WEBアシスタント募集