フィジカルとスキルが前面に出たW杯3位決定戦 菊谷崇「いちファンとして楽しんだ」
ラグビーワールドカップ(W杯)日本大会は1日、東京スタジアムで3位決定戦が行われ、ニュージーランドは40-17でウェールズを下し、3大会ぶりに3位となった。今大会を最後にスティーブ・ハンセン(ニュージーランド)とウォーレン・ガットランド(ウェールズ)の両ヘッドコーチが勇退を表明している中、その有終の美を飾るべく、両チームは激しい試合展開で魅せた。
「ここまでのW杯の試合とは一味違う、見ていて楽しい試合に」
ラグビーワールドカップ(W杯)日本大会は1日、東京スタジアムで3位決定戦が行われ、ニュージーランドは40-17でウェールズを下し、3大会ぶりに3位となった。今大会を最後にスティーブ・ハンセン(ニュージーランド)とウォーレン・ガットランド(ウェールズ)の両ヘッドコーチが勇退を表明している中、その有終の美を飾るべく、両チームは激しい試合展開で魅せた。
【注目】育成、その先へ 少年・少女、保護者や指導者が知りたい現場の今を発信する野球育成解決サイト『First-Pitch』はこちらから
ニュージーランドは前半開始早々に2トライを決めると、30分過ぎからベテランWTBベン・スミスが連続で2トライ。前半から4トライを奪う勢いを見せると、ウェールズも負けじと10点を挙げ、一時は4点差まで詰め寄った。だが、ニュージーランドは後半も2トライを加え、40-17で勝利。試合後、グラウンドでは両チームの選手がゆっくりと時間を掛けながら、笑顔で互いの健闘を称えるノーサイドの精神を象徴するようなシーンも見られた。
この3位決定戦を、元日本代表主将で2011年W杯に出場した菊谷崇氏はどう見たのか。「THE ANSWER」に語ってくれた。
◇ ◇ ◇
3位決定戦は、ここまでのW杯の試合とは一味違う、見ていて楽しい試合になりました。正直なところ、ニュージーランドもウェールズも準決勝では揃って悔しい負け方をしたので、3位決定戦にモチベーションを上げられるのか心配でしたが、取り越し苦労でした(笑)。両国とも自分たちのラグビーを楽しんでいましたね。
もちろん、3位入賞と銅メダルはかかっていましたが、これがラストの試合で次はない。1次ラウンドと違ってボーナスポイントを気にする必要もない。お互いにエリアマネジメントを気にしたり、システムの中でアタックを形成したりするのではなく、フィジカルで押しまくっていました。とりあえず攻める。そんな姿勢が80分間ずっと出ていました。例えば、ラインアウトやスクラムも、決してクオリティーは高くなかったと思います。きれいにボールをデリバリーするのではなく、ファンブルしてもボールをいかに10番(SO)や12番(CTB)に繋いで攻撃に移すか。とにかく前に前に攻める姿勢は、3位決定戦ならではの面白さなのかもしれません。