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完敗なでしこ、決定力不足以上に大きな問題とは 永里亜紗乃「致命傷になりかねない」

決勝トーナメント1回戦でも「勝機は必ずある」と永里さんは話した【写真:荒川祐史】
決勝トーナメント1回戦でも「勝機は必ずある」と永里さんは話した【写真:荒川祐史】

「勝機は必ずある」決勝T1回戦、「逃げ道を用意することなく、さらなる高みを」

 苦しい試合でしたが、GKの山下杏也加選手は再三再四に渡るファインセーブを見せてくれました。彼女は身体能力の高さに加えて、ゲームの流れをしっかり把握してプレーできています。GKに大切な予測能力にも長けていますし、ピンチが訪れても精神的なブレを決して見せない。決勝トーナメントに進んでからは1つの得点、1つの失点が運命を分けます。ゴール前のシーンがより重要になってくる状況で、GKの仕事が大きな鍵を握るはずです。

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 攻撃面では、第2戦に続いて岩渕真奈選手がキレのある動きでチームを牽引していました。コンスタントにドリブルで勝負を仕掛けられているのは好調の証ですし、「自分がやってやる」という意志の強さも見えます。だからこそ2トップを組む相棒の働きが重要になります。途中出場でチャンスを決め切れなかった菅澤優衣香選手ですが、勢いを加速させることはできていました。ですがストライカーは結果で評価されるのが宿命。決勝トーナメントの勝負どころで大仕事をやってのけて、自身の存在価値を証明してもらいたい。

 決勝トーナメント1回戦の相手は、カナダかオランダのどちらかです。カナダは米国に似たプレースタイルの強豪で、オランダは個の力が高く、前線に良い選手が多い。どちらの国も決して簡単な相手ではありませんが、イングランドと比較すれば力はやや劣るでしょう。厳しい戦いになるのは間違いありませんが、勝機は必ずあるはずです。

 そのためにはグループリーグ3試合からのアップグレードが欠かせません。1勝1分1敗という結果がなでしこジャパンの現在地で、優勝を目指すのであれば足りない部分も多い。狙うのはベスト8ではなく、もっと上のはず。「次につながる良い経験を得られた」という逃げ道を用意することなく、さらなる高みを目指して戦ってほしい。

(藤井雅彦 / Masahiko Fujii)

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