なでしこ1次敗退なら“日陰の時代”逆戻りの可能性 永里亜紗乃「歴史上重要なW杯に」
注目選手に挙げた3人は? 「W杯に懸ける思いが一番強い選手」に期待
フレッシュなメンバー選考になった理由として、来年行われる東京五輪を無視するわけにはいかない。今大会は4年に1度のW杯であると同時に「TOKYO2020」につながる過程という位置付けもできる。
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「自国開催の東京五輪に向けてという観点でも重要な大会になります。注目される一方で、予選が免除される形で五輪本大会に出場する。これはチーム作りにおいて重要な真剣勝負の場が限られるという意味でもあります。五輪に向けたステップ段階として考えているとしても大会は1年後に迫っているのですから、チームとしてある程度でき上がっていないといけない時期なのです」
厳しい口調は期待の裏返しでもある。選出されたメンバー表を見て注目選手として3人の名前を挙げた。
「まず主将を務める熊谷選手です。ディフェンスラインの中心でもある彼女にはリーダーシップを発揮することを期待したい。海外でのプレー経験も長いですし、これまで積み上げてきたキャリアすべてをぶつけてほしい。
攻撃面では、小林里歌子選手の名前を挙げたい。21歳と若いですが、チームに自分をフィットさせるのが上手な選手です。ドリブラータイプが多いチームにあって、しっかりボールキープできて、相手の背後を狙うランニングもできる。オールラウンドに高い能力を発揮できるのが長所だと思います。
3人目は、岩渕真奈選手です。前々回大会の喜びと前回大会の悔しさの両方を知っている選手で、W杯に懸ける思いが一番強い選手かもしれません。偉大な先輩方の思いも知っているはずですし、年齢的にもチームを引っ張っていかなければいけない立場。コンディションが気がかりではありますが、勝負どころでポテンシャルの高さを見せてほしい」
日本は10日に初戦のアルゼンチン戦に臨み、さらに14日にスコットランド、そして19日にイングランドと1次リーグを戦う。対戦各国の分析と、日本との力関係が気になるところだ。
「徐々に相手が強くなっていくという点で、対戦の順番に恵まれた印象です。どの国も初戦は緊張から堅くなりがちなので、アルゼンチンにしっかり勝てれば自信と勝ち癖をつけることができます。自分たちの力を発揮できれば難しい相手ではありません。
ポイントは第2戦のスコットランド戦です。スコットランドは強豪のブラジルに最近勝ったように力をつけてきているチームで、今大会回のダークホース的な存在。フィジカルが強くてクロスボールも巧みに使ってくる日本が苦手とするタイプかもしれません。
第3戦で対戦するイングランドはフランスやアメリカと並ぶ優勝候補のチームで、日本よりも格上です。3位だった前回大会から順調に力を伸ばしていて、ポゼッションとカウンターをバランス良く織り交ぜてきます。できれば2連勝してプレッシャーのかからない状態で戦いたい相手です」