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アルゼンチン混乱、今後の伏線になった日本バレーの配球 「相手も戦略練り直しに」殊勲は関田誠大【加藤陽一の目】

スポーツ文化・育成&総合ニュースサイト「THE ANSWER」はパリ五輪期間中、「シン・オリンピックのミカタ」と題した特集を連日展開。これまでの五輪で好評だった「オリンピックのミカタ」をスケールアップさせ、4年に一度のスポーツの祭典だから五輪を観る人も、もっと楽しみ、もっと学べる“新たな見方”をさまざまな角度から伝えていく。「社会の縮図」とも言われるスポーツの魅力や価値の理解が世の中に広がり、スポーツの未来がより明るくなることを願って――。

男子バレー日本の関田誠大【写真:Getty Images】
男子バレー日本の関田誠大【写真:Getty Images】

「シン・オリンピックのミカタ」#37 男子バレーボール解説・加藤陽一

 スポーツ文化・育成&総合ニュースサイト「THE ANSWER」はパリ五輪期間中、「シン・オリンピックのミカタ」と題した特集を連日展開。これまでの五輪で好評だった「オリンピックのミカタ」をスケールアップさせ、4年に一度のスポーツの祭典だから五輪を観る人も、もっと楽しみ、もっと学べる“新たな見方”をさまざまな角度から伝えていく。「社会の縮図」とも言われるスポーツの魅力や価値の理解が世の中に広がり、スポーツの未来がより明るくなることを願って――。

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 大会期間中、各競技のスペシャリストによる試合解説を随時展開する。今回は男子バレーボール。31日、1次リーグC組が行われ、世界ランク5位の日本が同8位アルゼンチンに3-1(25-16、25-22、18-25、25-23)で勝利した。今大会初白星で1勝1敗。この試合を元日本代表主将・加藤陽一氏が分析する。見事に勝ち点3獲得となったが、その立役者にセッターの関田誠大を指名。「相手の嫌がるところへの配球が絶妙」と司令塔としての働きを高く評価した。(取材・構成=荻島 弘一)

 ◇ ◇ ◇

 勝ち点3をとるために、3-0か3-1で勝てればと思っていましたが、期待していた通りの展開になりました。素晴らしかったのは、やはりセッターの関田選手。小野寺選手や山内選手のミドルを積極的に使い、クイックを中心にして攻撃に幅をもたせた。アルゼンチンの守りを混乱させた。見事なトス回し、攻撃の組み立てでした。

 もちろん、関田選手にいいボールを返したレシーブも見事。初戦のドイツ戦では今ひとつだった高橋藍選手のサーブレシーブが改善されていました。この試合での安定感はリベロ並、いやそれ以上でした。正確なレシーブが、関田選手のテクニックをさらに引き出しました。

 トスを上げる位置が絶妙でしたね。相手のサイドブロッカーを中央につり出せれば、石川選手らのサイドからの攻撃が有効になります。また、ミドルブロッカーがサイドに回れば、空いた中央からのバックアタックが効いてきます。自分で得点することは少ないセッターですが、相手の嫌がるところにトスを上げることで相手にプレッシャーをかけることができます。相手の嫌がるところへの配球が絶妙でした。

 小野寺選手と山内選手も当たっていました。関田選手を信じてジャンプし、思い切り手をふる。そこに正確なトスがやってくるので、素晴らしいスパイクになります。石川選手や高橋藍選手ら他の攻撃陣は、ミドルの活躍でずいぶん楽になったと思います。

 すべてを引き出したのは、やはり関田選手です。アルゼンチンは日本のミドルブロッカーの攻撃が少ないとみて、サイド攻撃に対してブロックを厚くしていました。2セット目からそれが効きだしてサイド攻撃が機能しなくなると、すぐに修正。ミドルブロッカーの攻撃を増やし、相手のブロックシステムを混乱させました。結果として、サイド攻撃が再び機能し始めたのです。

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