八村塁の1on1能力に頼った日本の連係欠如 警戒必至の残り2戦「鍵を握るのは…」2人の選手【渡邉拓馬の目】
鍵を握るのはドイツ戦でプレータイムの少なかった2人
一方で、日本らしい連係ができていたかといえば、理想には少し届かなかった印象もあります。八村選手の1on1能力に頼ってしまって他の4人が立ってしまう場面も散見されました。それでもチャンスクリエイトできるのは彼の価値ですが、コンビネーションプレーは攻守ともにさらに磨いていけるはず。次戦以降、チーム全体でアジャストしていける部分だと思います。
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これから対戦するフランスとブラジルは間違いなく八村選手を警戒してくるでしょう。渡邊選手やホーキンソン選手にも簡単には仕事をさせまいと臨んでくるはず。鋭いドライブから彼らにパスを出せる河村勇輝選手へのマークも厳しくなる展開が想定されます。
だからこそドイツ戦でプレータイムの少なかった富永啓生選手や比江島慎選手の活躍が鍵を握るのではないでしょうか。彼らのアウトサイドシュートが決まらないと、勝ち切る試合を作るのは難しい。ドイツ選手では吉井裕鷹選手が貴重な3Pシュートを沈めて成長を感じさせただけに、富永選手と比江島選手にも期待したい。ドイツ戦での悔しさを晴らすようなインパクトを出してもらいたい選手たちです。
ドイツは強かったですが、まったく歯が立たなかったわけでもない。だから精神的に引きずるような敗戦ではありませんし、W杯では大会期間中にチームとして大きく成長しました。このパリ五輪でも八村選手との融合など進化する余地を残しています。フランスとブラジルも世界ランキングでは日本よりも上ですが、何かを起こせそうな雰囲気は十分にある。
五輪に参加するだけで良しとするフェーズではなくなりました。W杯と同じように、歴史が動く瞬間を期待しているファンが大勢います。それに向かっていく歩みが次の世代にも受け継がれていく。日本のバスケットボール界にとって重要な残り2試合+αになるはずです。
(THE ANSWER編集部)