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W杯バスケ日本、パリ五輪かけた残り2戦のキーマン 渡邉拓馬「得点欲しい場面で彼の右に出る者いない」

バスケットボールのワールドカップ(W杯)日本・フィリピン・インドネシア共催大会は29日、1次リーグ最終戦で世界ランク36位の日本が同3位のオーストラリアに89-109で敗れ、1勝2敗で2次リーグ進出ならず。元日本代表・渡邉拓馬氏(京都ハンナリーズGM)は完敗を喫したオーストラリア戦を振り返り、今大会アジア勢最上位に与えられる2024年パリオリンピック出場権がかかる17~32位順位決定リーグのキーマンの一人に比江島慎を挙げた。(構成=藤井 雅彦)

1次リーグ最終戦でオーストラリアに敗れた日本代表【写真:ロイター】
1次リーグ最終戦でオーストラリアに敗れた日本代表【写真:ロイター】

バスケットボールW杯1次リーグ第3戦

 バスケットボールのワールドカップ(W杯)日本・フィリピン・インドネシア共催大会は29日、1次リーグ最終戦で世界ランク36位の日本が同3位のオーストラリアに89-109で敗れ、1勝2敗で2次リーグ進出ならず。元日本代表・渡邉拓馬氏(京都ハンナリーズGM)は完敗を喫したオーストラリア戦を振り返り、今大会アジア勢最上位に与えられる2024年パリオリンピック出場権がかかる17~32位順位決定リーグのキーマンの一人に比江島慎を挙げた。(構成=藤井 雅彦)

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 ここまで1勝1敗の日本にとって、勝てば2次リーグ進出が決まるゲームでした。でも第2戦でドイツに敗れたオーストラリアにとってもまったく同じシチュエーション。つまり格上の彼らは絶対に負けられない試合だったわけです。もともと地力に勝る相手チームが100%以上の集中力で臨めば、ゲームの主導権を握られてしまうのはある程度自然な流れです。

 実際にオーストラリアは序盤からレベルの高さを随所に発揮してきました。それはシュートを決め切る部分の差として如実に表れていて、特にゴール下でフィジカルを生かしてねじ込むプレーは世界トップクラスの強さと精度があった。さらにミスマッチを突いてワンショットを決める狡猾さもあり、チャンスの場面で畳みかけてくる迫力もさすが。東京オリンピックで銅メダルを獲得したチームはやはり強かったというのが素直な感想です。

 その中でも日本は40分間泥臭く戦い、スコア上も何とか食らいついて戦い抜くことができました。だからこそオーストラリアは最後までほとんどメンバーを代えずに戦い、強みであるフィジカルを強調してきた。相手にそういった戦い方を選ばせたのは日本のバスケットが成長している証とも言えるでしょう。

 チームとしてオープンショットのチャンスを作ろうという工夫は見えましたし、立て続けに得点を奪った場面ではフィンランド戦の再現を期待させるところもありました。相手の意識を外に引き付けてから中のジョシュ・ホーキンソン選手を使うタイミングもしっかりアジャストさせ、日本の武器として確立できた印象があります。

 個々に目を移すと、フィンランド戦の終盤に活躍した河村勇輝選手に警戒が集まるのは想定内で、富樫勇樹選手が存在感を発揮してくれたのはポジティブです。過去2試合は得点こそなかったですが、しっかりゲームを作って味方にバトンを渡していたあたりにIQの高さやスマートさがあった。この試合では代名詞とも言える3Pシュートを決めるなど、目に見える形でチームを引っ張っていく好パフォーマンスでした。

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