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なでしこ、完璧すぎるスペイン4-0撃破の理由 永里亜紗乃「スペインに“持たせていた”感覚に近い」

W杯の決勝トーナメントは別のステージの戦い

 それとW杯の決勝トーナメントは別のステージの戦いになります。グループリーグで調子が良くなかった国でも、モチベーションを高めてガラッと変わるチームもあります。一発勝負で負けたら終わりというシチュエーションになるので精神状態を普通に保つのも難しい。

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 ラウンド16で対戦するノルウェーはグループリーグの1戦目、2戦目はあまり調子が良くないように見えました。できるだけパスをつなごうとしていたプレーが効果的ではなく、チームとして攻め方が曖昧になっていました。ただ、その教訓を生かして3戦目はシンプルにプレーするようになり、前線にいる身長の高い選手をターゲットにしてクロスを上げる戦い方にシフトしてきました。そういった意味で上向き調子のチームですし、シンプルなフィジカル勝負で来られるとスペイン以上に厄介な相手かもしれません。

 日本としては、どれくらい前から守備に行くか、そしてボールの奪いどころをどこに定めるかがポイントです。そこで興味深いのがダブルボランチの組み合わせ。自陣に構える時間帯が長くなったスペイン戦では、先発起用した林穂之香選手の守備力が光っていました。長谷川唯選手は攻撃にアクセントを加えられるのが特徴なので、長野風花選手とのバランスが重要になります。

 FIFAランキングこそほとんど差のない相手ですが、ノルウェーの今の状態や調子を踏まえると勝たなければいけない相手です。日本が持っている力をしっかり発揮できれば勝機は十分にありますし、まだまだ通過点にしてほしいという思いがあります。

 勝利の余韻に浸るのは昨日まで。スペイン戦を忘れて、決勝トーナメントに臨みましょう。1つでも高い位置に勝ち進んでサッカーファンのみならず、日本国民に興味を持ってもらいたい。なでしこジャパンにとって本当の戦いが始まります。

(藤井雅彦 / Masahiko Fujii)

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