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右手首痛で敗戦の錦織 クレーコート戦略で負った「代償」と躍進の「布石」

消耗激しいクレーコート戦を乗り切れば、後半戦逆襲の材料に?

「試合のスケジューリングによる影響もあったかもしれません。今年序盤はブエノスアイレス、リオデジャネイロとクレーコートの大会を選択しました。クレーでは他のコートよりも重たいボールが飛んできます。知らずに手首に負担がかかったのかもしれません。

 打球の重さはサーフェスによって違います。ハードコートの方が一瞬の衝撃は強くなりますが、クレーコートは回転がかからないと簡単に返される。自分で回転をかけて、ボールを返さないといけない。相手もスピンをかけてくる。蓄積する疲労はクレーコートの方が多いと思います」

 綿貫はこう語った。2月のブエノスアイレスでは決勝で惜敗し、直後に臨んだリオデジャネイロでは初戦敗退を喫した。だが、序盤戦でクレーコートで戦ったことが、後半戦躍進の布石になる可能性があるという。

「クレーコート育ちの選手に比べて、身体の負担は厳しいものになります。しかし、長い目で見れば、クレーコートシーズンは消耗しながらも、体力勝負につながっていれば、今後にとってもプラスになります。数か月後に身体の余裕を感じられるようになることもあります。ハードコートやツアーの連戦が楽に感じるようになる。もし、ダメージの回復だけに時間を費やすようなケースになると意味はありませんが」

 綿貫はこう分析した。フィジカル的な負担や消耗の激しいクレーコートでの戦いを序盤に乗り切ることで、終盤戦に向けた体力強化というプラス材料が存在するという。錦織は4月24日のバルセロナ・オープンから、5月のマドリード・オープン、BNLイタリア国際、全仏オープンとクレーの連戦が続く。

 消耗の裏でフィジカルを強化できれば、クレーでの死闘は錦織の後半戦逆襲の材料となるかもしれない。

【了】

ジ・アンサー編集部●文 text by The Answer

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