岩渕真奈&長谷川唯は「すごく高いレベル」 W杯へ、永里亜紗乃が評価した日本の武器
長谷川唯の最大出力は日本の大きな武器
ただ、気になることがあります。長谷川選手は良いプレーと悪いプレーの波が大きすぎて、現時点ではコンスタントに能力を発揮しているとは言えません。彼女にしかできないプレーでチャンスを作った次のシーンでは、どこか集中力を欠いたようなミスをしてしまう。
【注目】育成、その先へ 少年・少女、保護者や指導者が知りたい現場の今を発信する野球育成解決サイト『First-Pitch』はこちらから
実質的に勝負を決めた2点目の場面では、日本のパスワークの中心に背番号14がいました。周りの選手をタイミング良く使うことで攻撃のスピードが上がり、たくさんの選手が絡んでゴールになりました。そういったシーンをもっと数多く作れれば言うことなしですが、実際にはミスで流れを止めてしまうことも少なくない。
彼女が交代した後半、猶本光選手が同じ位置に入りました。猶本選手は単独で打開するプレーよりも、時間を作りながら周囲と絡んでいける選手。なでしこジャパンが世界一に輝いた時の宮間あやさんにプレースタイルが近いのかなと。この試合でも効果的なプレーで日本の攻勢を下支えしていました。
長谷川選手の最大出力は日本の大きな武器です。ファン・サポーターから人気があって、メディアからの期待値もすごく高い。だからこそもっと上のステージを目指してほしいですし、必要不可欠な選手に成長してもらわなければ困るのです。
7得点入ったことも大きいですが、攻撃面では個々が特徴を発揮していたと思います。菅澤優衣香選手は得点が入りそうで入らないモヤモヤした雰囲気を吹き飛ばす先制点を自分の形で決めてくれましたし、植木理子選手は持ち前の突破力を生かしてゴールネットを揺らしました。
とはいえ課題もあって、やはり最終局面におけるクロスの精度はまだまだ物足りない。右サイドバックの清水梨紗選手が良い形でオーバーラップを仕掛けていましたが、なかなかクロスが合わない。大量得点差がある試合では問題として表面化しないだけで、1点を争う拮抗したゲームでは結果を左右しかねない明確な課題です。