涙の日本4位、遅すぎたラストピースの発見 松井大輔「三笘薫が2列目左の答え見せた」
「THE ANSWER」は東京五輪の大会期間中「オリンピックのミカタ」と題し、実施される競技の新たな知識・視点のほか、五輪を通して得られる多様な“見方”を随時発信する。53年ぶりの銅メダル獲得を目指して3位決定戦に臨んだサッカー日本代表は6日、グループリーグで2-1と勝利していたメキシコと再戦。1-3で敗れ、2012年のロンドン五輪と同じ4位に。MF久保建英ら選手は涙に暮れた。2004年のアテネ五輪で10番を背負った元日本代表MF松井大輔(サイゴンFC)はこの試合にどんな「ミカタ」を持ったのか。(構成=藤井 雅彦)
「THE ANSWER的 オリンピックのミカタ」#77
「THE ANSWER」は東京五輪の大会期間中「オリンピックのミカタ」と題し、実施される競技の新たな知識・視点のほか、五輪を通して得られる多様な“見方”を随時発信する。53年ぶりの銅メダル獲得を目指して3位決定戦に臨んだサッカー日本代表は6日、グループリーグで2-1と勝利していたメキシコと再戦。1-3で敗れ、2012年のロンドン五輪と同じ4位に。MF久保建英ら選手は涙に暮れた。2004年のアテネ五輪で10番を背負った元日本代表MF松井大輔(サイゴンFC)はこの試合にどんな「ミカタ」を持ったのか。(構成=藤井 雅彦)
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メキシコ戦での立ち上がり数分間を見て、嫌な予感がした人も多かったと思います。準決勝で負けてしまったことで燃え尽きてしまったのか、あるいは中2日で6試合目という過酷なスケジュールが影響したのか、選手たちの動きがとても鈍かった。そのため本来のサッカーには程遠い内容になっていました。
3連勝したグループリーグは、どの試合も立ち上がりが素晴らしかった。積極的なビルドアップでボールを前方向へ運び、前線の選手たちは流動的なポジショニングとパス交換で果敢に相手ゴールを狙っていました。守備でもリアクションスピードが速く、高い位置からのプレスも効果を発揮していた。そういった姿を知っているだけに、3位決定戦での日本はまるで別のチームに映りました。
結果論ではありますが、先発メンバーにもう少し手を加える余地があったと思います。スケジュールがとにかく過酷で、さらに準々決勝と準決勝は120分ずつ戦う死闘でした。頭では疲れていないと思っていても体は疲れていて、これまで攻撃を牽引してきた久保建英選手と堂安律選手は大事なところで力を発揮できなかった。強引にシュートを打つ以外にラストパスという選択肢を持てたことはポジティブですが、やはりキレを欠いていたようにも見えました。
せめて久保選手と堂安選手のどちらかをベンチスタートにできていれば、もう少し違ったゲームプランを組めたかもしれない。前半をフレッシュな選手で戦い、0-0の展開で後半勝負に持ち込むなどのプランです。
コンディションも含めて総合的に考えた時、2人に勝る選手がいなかったとは思いません。僕もアテネ五輪でベンチスタートを経験しましたが、ベンチを温める機会の多い選手は試合に飢えているもの。準決勝でスペインに敗れた影響が少なからずあったからこそ、心身ともにフレッシュな力が必要だった気がします。