3連勝日本、ガチンコ決勝Tの鍵は「2列目の左」 松井大輔「個で打開できる選手が最適」
「THE ANSWER」は東京五輪の大会期間中「オリンピックのミカタ」と題し、実施される競技の新たな知識・視点のほか、五輪を通して得られる多様な“見方”を随時発信する。初戦の南アフリカ、第2戦のメキシコを破ったサッカー男子日本代表は28日、フランスと対戦し、4-0と圧勝。今大会、唯一の3連勝でグループリーグ突破を決めた。2004年のアテネ五輪で10番を背負った元日本代表MF松井大輔(サイゴンFC)はこの試合にどんな「ミカタ」を持ったのか。(構成=藤井 雅彦)
「THE ANSWER的 オリンピックのミカタ」#33
「THE ANSWER」は東京五輪の大会期間中「オリンピックのミカタ」と題し、実施される競技の新たな知識・視点のほか、五輪を通して得られる多様な“見方”を随時発信する。初戦の南アフリカ、第2戦のメキシコを破ったサッカー男子日本代表は28日、フランスと対戦し、4-0と圧勝。今大会、唯一の3連勝でグループリーグ突破を決めた。2004年のアテネ五輪で10番を背負った元日本代表MF松井大輔(サイゴンFC)はこの試合にどんな「ミカタ」を持ったのか。(構成=藤井 雅彦)
【注目】育成、その先へ 少年・少女、保護者や指導者が知りたい現場の今を発信する野球育成解決サイト『First-Pitch』はこちらから
◇ ◇ ◇
フランスを相手に4-0。まさに文句のつけようのないパーフェクトゲームでした。
この試合に臨むにあたり、まず初戦の南アフリカ戦に勝利し、続いて難敵のメキシコにも勝って連勝できていたことが大きかった。それによってチームに勢いが生まれ、選手個々に自信がみなぎっていました。ワールドカップやオリンピックといった短期決戦で良い結果を収めるには勢いという要素が欠かせません。その勢いをもたらすのが、選手個々の自信に満ちあふれた姿勢です。
どの試合も安定した守備を意識して臨み、相手のプレッシャーを受けながらもしっかりとビルドアップし、前線ではコンビネーションでチャンスを作る。すべての試合で早い時間帯に先制していることも含めて、試合運びにも隙がありません。ホスト国の強さからさらに進化し、王者の風格すら漂うグループリーグ3連勝でした。
3試合連続ゴールの久保建英選手は、すごいの一言。今までも“うまい選手”でしたが、こうして結果を残していくことで“素晴らしい選手”に進化していきます。期待と注目度が高いために活躍できなかった時には厳しい指摘や論調にさらされてしまうかもしれませんが、目に見える結果を残して日本を勝利に導くことで周りの口を塞ぐような活躍を見せてくれています。
特に、堂安律選手とのコンビネーションが試合を重ねるごとに向上している印象です。本大会直前の親善試合(対U-24スペイン戦)では久保選手のアシストから堂安選手がゴールを決め、反対にメキシコ戦では堂安選手のラストパスから久保選手がゴールネットを揺らした。もともと能力の高い二人がしっかりと融合し、連係がさらに深まっているのは日本にとって心強い材料です。
今大会初先発の上田綺世選手も良いパフォーマンスを見せてくれました。過去2戦での林大地選手と同じように前線でしっかりとボールが収まり、そこに2列目の選手たちが絡んでいくことで日本の攻撃に迫力が出る。2人ともゴールが欲しい状況で本人たちはモヤモヤしているかもしれませんが、今のプレーを続けた先にゴールがあるはず。決勝トーナメント以降、どちらが1トップで起用されても安心して見ていられます。