圧巻だった侍の守護神候補・栗林良吏 「分かっていても打てない」フォークを分析
社会人時代の経験を糧に「こういう一発勝負の戦いで生きてくる」
今、私も栗林投手に似たフォークを投げていますが、何よりも球速が違う。フォークで140キロ級というのが、プロ野球選手の凄さ。大谷翔平投手(エンゼルス)、山本由伸投手(オリックス)は150キロ近く出ます。
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その要因は大谷投手の出現が間違いなく大きい。人間、見たものを真似しようとする能力を潜在的に持っている。プロ野球選手ですら、そうやって限界を伸ばしているので、トップを目指す子供たち、中高生もこの五輪を大切にしてほしい。
せっかく日本で行われる機会。世界から普段なかなか見ることのない国や選手を身近に感じられる。日本代表に限らず、いろんな投手に興味を持って見てみると、たくさんの発見があるはずです。
余談になりますが、私もJX-ENEOSという社会人チームでプレーしていた身としては、同じ社会人出身である栗林投手は気になる存在。
トヨタ自動車という「超」の付く名門チームで、一発勝負の都市対抗に出場している投手。企業を背負って負けたら終わりという戦いはプロ野球にはない魅力。甲子園ともプレッシャーは異なり、こういう一発勝負の戦いでは必ず生きてくる。
プロ1年目から侍ジャパンに選出され、東京五輪に出場する。社会人時代の経験も生かし、日本のために活躍してほしいと思います。
■内田聖人 / Kiyohito Uchida
1994年生まれ。早実高(東京)2年夏に甲子園出場。早大1年春に大学日本一を経験し、在学中は最速150キロを記録した。社会人野球のJX-ENOEOSは2年で勇退。1年間の社業を経て、翌19年に米国でトライアウトを受験し、独立リーグのニュージャージー・ジャッカルズと契約。チーム事情もあり、1か月で退団となったが、渡米中はダルビッシュ有投手とも交流。同年限りで指導者に転身。昨年、立ち上げたオンラインサロン「NEOREBASE」は総勢400人超が加入、千賀滉大投手らプロ野球選手も多い。個別指導のほか、高校・大学と複数契約。自身も今年自己最速を更新する152キロを記録。
(THE ANSWER編集部・神原 英彰 / Hideaki Kanbara)