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圧巻だった侍の守護神候補・栗林良吏 「分かっていても打てない」フォークを分析

「THE ANSWER」は東京五輪の大会期間中「オリンピックのミカタ」と題し、実施される競技の新たな知識・視点のほか、平和・人権・多様性など五輪を通して得られる様々な“見方”を随時発信する。多くのプロ野球選手も加入するパフォーマンスオンラインサロン「NEOREBASE」主宰、ピッチングストラテジストの内田聖人氏は今大会、投手の“球”を独自に解説。金メダル獲得を目指す侍ジャパンは25日に壮行試合第2戦・巨人戦(楽天生命)に5-0で勝利。6投手で完封リレーした投手陣から9回に登板し、1イニング2奪三振と完璧に抑えた守護神候補・栗林良吏投手(広島)の武器、フォークについて分析する。(取材・構成=THE ANSWER編集部・神原 英彰)

侍ジャパンの栗林良吏(広島)【写真:Getty Images】
侍ジャパンの栗林良吏(広島)【写真:Getty Images】

「THE ANSWER的 オリンピックのミカタ」#20

「THE ANSWER」は東京五輪の大会期間中「オリンピックのミカタ」と題し、実施される競技の新たな知識・視点のほか、平和・人権・多様性など五輪を通して得られる様々な“見方”を随時発信する。多くのプロ野球選手も加入するパフォーマンスオンラインサロン「NEOREBASE」主宰、ピッチングストラテジストの内田聖人氏は今大会、投手の“球”を独自に解説。金メダル獲得を目指す侍ジャパンは25日に壮行試合第2戦・巨人戦(楽天生命)に5-0で勝利。6投手で完封リレーした投手陣から9回に登板し、1イニング2奪三振と完璧に抑えた守護神候補・栗林良吏投手(広島)の武器、フォークについて分析する。(取材・構成=THE ANSWER編集部・神原 英彰)

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 まさに圧巻の内容でした。栗林投手はカーブ、カットボールの質も高いですが、ストレートとフォークが圧倒的に良い。短いイニングで同じ打者と何度も対戦するわけではないので、一番良い球、相手にとって打ちづらい球を投げるという観点から見てもストレートとフォークは軸になります。

 2つの球種について見ていくと、ストレートは前日の壮行試合(楽天戦)で取り上げた森下暢仁投手(広島)と同じくホップ成分が高い印象。なおかつ、綺麗な縦回転。しっかりと胸を張り、そこから体を(一塁側に)傾けていく。

 珍しいのはアウトステップ気味であること。それを利用しながら、アームアングルを上げている。今はまっすぐのステップか、あるいはインステップ気味の投手が主流。アウトステップはそれだけで、打者の目線も変わってくるかもしれません。

 通常、アウトステップにすると右投手は重心が一塁側に逃げがち。しかし、栗林投手の場合はまっすぐに体重を乗せながら、リリースに力を加えている。その時点で、特殊な軌道を作り出している印象です。

 一方、フォークは“強いフォーク”。国際舞台でもとても有効になり、三振が取れる球になると期待しています。繰り返しますが、カーブ、カットボールの質も高いので、これらをたまに投げ、頭に置いておくだけで打者にとっては嫌なもの。

 ジャイロスピンとサイドスピンのハイブリッド系で、個人的には一番好きなフォークです。目立つのはやはり落差。分かっていても打てないフォークは何かと考えると、こういうフォークなのではないかと思います。

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