敗退危機なでしこは「勝てる試合に負けた」 永里亜紗乃「事故ではなく自滅に近い失点」
「THE ANSWER」は東京五輪の大会期間中「オリンピックのミカタ」と題し、実施される競技の新たな知識・視点のほか、五輪を通して得られる多様な“見方”を随時発信する。サッカー女子日本代表のなでしこジャパンは24日、英国に0-1で敗れ、勝ち点1で敗退危機に。元日本代表FWで2015年ワールドカップ(W杯)カナダ大会準優勝メンバーの解説者・永里亜紗乃さんはこの試合にどんな「ミカタ」を持ったのか。(構成=藤井 雅彦)
「THE ANSWER的 オリンピックのミカタ」#11
「THE ANSWER」は東京五輪の大会期間中「オリンピックのミカタ」と題し、実施される競技の新たな知識・視点のほか、五輪を通して得られる多様な“見方”を随時発信する。サッカー女子日本代表のなでしこジャパンは24日、英国に0-1で敗れ、勝ち点1で敗退危機に。元日本代表FWで2015年ワールドカップ(W杯)カナダ大会準優勝メンバーの解説者・永里亜紗乃さんはこの試合にどんな「ミカタ」を持ったのか。(構成=藤井 雅彦)
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0-1で惜敗した英国戦をご覧になった方はどんな感想を抱かれたでしょうか。
個人的な感想ですが、日本の出来は悪くなかったと思います。格上の英国に対して局面でしっかり戦えていたし、ゴール前で粘り強く守れていました。初戦のカナダ戦からスタメンを5人変更しましたが、それによって大きく戦力ダウンしたという印象もありません。後半途中まで0-0のスコアで推移したように、どちらに転んでもおかしくないゲーム展開でした。
ただ、日本が勝つチャンスはなかったようにも感じました。そこが最も大きな問題だったと思います。なぜかといえば、得点が入りそうな雰囲気はほとんどなかった。攻撃の形をまったくと言っていいほど作れず、決定的なチャンスは1回もなかったのが本当のところでしょう。
日本の攻撃はボールを保持していても相手が形成するブロックの外側へ進むことしかできず、中央へボールを入れても個人で頑張るしかない状況が多かった。中央に入ったボールに対して3人目、4人目の動きが乏しく、屈強なイギリスDFに潰されてしまうシーンが目につきました。
カナダ戦後に課題として挙げたサイド攻撃ですが、この試合でも可能性のあるクロスはほとんどありませんでした。ゴール前を固める相手に有効なロングシュートは何本か打てていましたが、相手が恐怖を感じるほどではなかった。攻撃のキーマンである岩渕真奈選手をケガの影響で先発起用できなかったのかもしれませんが、得点の匂いを感じない展開で守備陣が踏ん張り切れず失点するのはよくあることです。