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松井大輔が語る「谷間の世代」アテネの教訓と東京五輪 キーマンは「三笘薫選手」

期待するのは前線の選手、Jリーグ組の三笘薫には活躍してほしい

 海外クラブに所属している選手は、外国人のスピードや迫力、間合いを日頃から体感しています。Jリーグで主に日本人と対峙していても味わえない経験が精神面での強さにつながります。そういった日常を過ごしていれば代表戦でいきなり外国人と対戦しても面食らう心配はないですし、気負わなくて済みます。当たり前の話ですが、W杯や五輪に日本人対日本人というシチュエーションはありません。

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 その点で、東京五輪に臨むメンバー22人の半数が海外でプレー、もしくはその経験を持っています。それは、僕が出場したアテネ五輪から17年という年月を経て日本サッカーが成長している証拠で、とてもうれしく思います。すでにA代表でプレーしている選手も多いですし、オーバーエイジの選手たちに遠慮せず自然体で戦えるはずです。

 ポイントになるのは前線の選手たちのパフォーマンスでしょう。オーバーエイジにセンターバック(吉田麻也)とサイドバック(酒井宏樹)、それからボランチ(遠藤航)の選手を選出しているのは、前線の選手たちに対する期待の表れと戦力として十分に計算している証拠だと思います。久保建英選手や堂安律選手、三好康児選手は欧州でプレーしているので、彼らへのライバル心やこれからの可能性も含めて三笘薫選手にはそういった気持ちの部分も含めて期待したい。現在は別メニューで調整しているようですが、川崎フロンターレで見せているプレーを発揮できればキーマンになりうる存在です。

 アテネ五輪では決勝トーナメントに進出できず、選手村に入ることができませんでした。ホテルとスタジアムの行き来だけで五輪の雰囲気だけを感じられなかったことが心残りなので、東京五輪に臨む選手たちにはより高い空気を吸って、大会を楽しんでほしい。僕は良い意味で自分のステップアップだけを考えて臨んでいたし、そのおかげで大会後にフランスのル・マンへ移籍することができました。だから東京五輪世代の選手たちにも野心を持ってプレーしてほしいと思います。

 そして、メキシコ五輪以来となるメダル獲得を願っています。自国開催というホームアドバンテージがあるわけだから南アフリカ(7月22日)、メキシコ(25日)、フランス(28日)と戦う厳しい組だとしてもグループリーグ突破は最低条件。決勝トーナメントからが本当の勝負です。

 実は、決勝トーナメントに入ってからの試合チケットに応募していて、見事に当選しました(笑)。と言っても、僕はベトナムにいるのでスタジアムで応援することはできませんが、行けないことを後悔するような試合と結果を期待しています。

 では、また来月お会いしましょう。松井大輔でした。

■松井大輔

 1981年5月11日、京都府生まれ。サッカーの名門、鹿児島実業高校を卒業後に京都パープルサンガ(現・京都サンガ)でプロキャリアをスタートさせる。2004年にフランス、ル・マンへの海外移籍を皮切りに、ロシア、ブルガリア、ポーランドでプレーし、Jリーグではジュビロ磐田、横浜FCでプレーした。日本代表としても活躍し、ベスト16に輝いた2010年南アフリカワールドカップにも出場。今年1月からは、ベトナムのサイゴンFCで新たなチャレンジを行っている。

(藤井雅彦 / Masahiko Fujii)

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