野球の「ボーク」とは? 走者なしの場合や牽制時についても解説
野球の「ボーク」とは? この記事では、ボークの定義やペナルティ、走者なしの場合や牽制との関係などについて解説します。
野球の「ボーク」とは、塁上に走者がいるときの、投手の反則行為のことです。この場合、全走者に各1個の進塁を許すことになります(公認野球規則「本規則における用語の定義3」より引用)。
ボークの種類は、同規則6.02(a)で13種類が記載されています。
まず、「1.投手板に触れている投手が、同規則5.07(a)(1)および(2)項に定める投球動作に違反した場合」があります。
「同規則5.07(a)(1)および(2)項」では、ワインドアップポジションとセットポジションという2つの正規の投球姿勢について規定されています。
いずれの投球動作も、打者への投球動作を起こしたら、中断したり変更せず、投球を完了しなければならないことが記されています。
また、ワインドアップの姿勢からセットポジションに移ったり、ストレッチをすることは許されません。
こうした規定に反する投球をした場合、ボークとなります。
ボークは13種類ある
上述したワインドアップ、セットポジションの投球姿勢に関するものを含め、ボークには大きく分けて13種類あります。以下、公認野球規則に記されている残り12種類を紹介します。
2.投手板に触れている投手が、一塁または三塁に送球するまねだけして、実際に送球しなかった場合
3.投手板に触れている投手が、塁に送球する前に、足を直接その塁の方向に踏み出さなかった場合
4.投手板に触れている投手が、走者のいない塁へ送球したり、送球するまねをした場合(ただし、プレイの必要があればさしつかえない)
5.投手が反則投球をした場合
6.投手が打者に正対しないうちに投球した場合
7.投手が投手板に触れないで、投球に関連する動作をした場合
8.投手が不必要に試合を遅延させた場合
9.投手がボールを持たないで投手板に立つか、これをまたいで立つか、あるいは投手板を離れていて投球するまねをした場合
10.投手が正規の投球姿勢をとった後、実際に投球するか、塁に送球する場合を除いて、ボールから一方の手を離した場合
11.投手板に触れている投手が、故意であろうと偶然であろうと、ボールを落とした場合
12.故意四球が企図されたときに、投手がキャッチャースボックスの外にいる捕手に投球した場合
13.投手がセットポジションから投球するに際して、完全に静止しないで投球した場合
走者なしの時は? ボークのペナルティについて
ボークが宣告されたとき、各走者は1個の進塁が与えられます。
ただし、ボークの投球にもかかわらず、打者が安打や失策などにより一塁に達し、ほかのすべての走者も1つ以上の進塁を果たしたときには、ペナルティは適用せず、プレーはボークと関係なく続けられます。
また、走者がいないときに反則投球をした場合、その投球にはボークではなく「ボール」が宣告されます。これも前述と同様、打者が安打や失策、四球などで一塁に達した場合は、プレーは反則投球と関係なく続けられます。
牽制時の偽投とボークの関係について
上述した13種類のボークには、投手の牽制球に関するものも含まれています。牽制時、塁に目掛けて投げるフリをして、実際は投げないことを「偽投」と呼びます。
この「偽投」について、投手が投手板に触れているときは、走者のいる二塁へはその塁の方へ直接ステップすれば「偽投」することが許されています。
しかし、投手が投手板に触れているとき、一塁または三塁と打者への「偽投」は許されていません。
また、投手が軸足を投手板の後方に外せば、走者のいるどの塁へもステップしないで「偽投」して良いことになりますが、打者にだけは許されません。
投手板に触れている投手について、公認野球規則には原注として、投手が送球する塁に自由な足を踏み出さず、足の向きを変えたり、少し上に上げて回したり、踏み出す前に身体の向きを変えて送球した場合にはボークになる旨が記されています。
投手板に触れている場合、投手は送球する前に塁の方向へ直接踏み出さなければならず、踏み出したら送球しなければなりません(ただし二塁については例外)。
走者一、三塁の時、投手が軸足で投手板に触れたまま、三塁へ踏み出して実際に送球しなかった場合はボークとなります。
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(THE ANSWER編集部)