「厨房に日本人は入れさせない」 日本代表宿舎で実際にあった今じゃ考えられない“嫌がらせ”【アジア杯事件簿】
1956年に創設され、今回で18回目を迎えるサッカーAFCアジアカップも16強が出揃った。アジアの頂点を懸けた戦いではこれまで数々の事件も起きている。1996年UAE大会では日本代表が宿舎でまさかの“嫌がらせ”を受けて大ピンチに。今では考えられない大会側の運営に苦しめられた。
アジアカップで起こった事件を振り返る
1956年に創設され、今回で18回目を迎えるサッカーAFCアジアカップも16強が出揃った。アジアの頂点を懸けた戦いではこれまで数々の事件も起きている。1996年UAE大会では日本代表が宿舎でまさかの“嫌がらせ”を受けて大ピンチに。今では考えられない大会側の運営に苦しめられた。
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UAE大会は日本にとって試練の連続だった。ホスト国だった前回1992年広島大会で初優勝を飾り、連覇が懸かった大会。イタリア合宿を経て、オマーンとの国境沿いの都市、アル・アイン入りした。だが当時は同地にホテルも少なく、日本代表は同組のシリア、ウズベキスタン、中国と同宿。大会を運営するUAE側が全てを管理するスタイルだった。
その中で日本代表のスタッフは選手に日本食を提供しようとしていたが、アジアサッカー連盟(AFC)が「選手宿舎の厨房に日本人は入れさせない」とまさかの通達。選手たちは他国の選手と同じ食事会場でバイキング形式の食事を摂らざるを得なくなった。
提供された料理はアラブ料理が主体。しかも会場はパーテーションもないため他国選手と一緒になることもしばしば。代表スタッフは自室に持ち込んだ炊飯器で米を炊いておにぎりを別途用意するなど手は打ったが、選手は多くのストレスを抱えながら大会を戦うハメになった。
練習場も直前に変更を通達され、車で1時間もかかる場所への移動を余儀なくされるなど、日本にとってはまさに“アウェーの洗礼”。前回優勝ということで他国からのマークも厳しく、1次リーグこそ3連勝で突破したものの準々決勝ではクウェートに0-2で敗れて、無念の8強敗退となった。今でこそ各チームがそれぞれの宿舎を有し、専属シェフを帯同させるのが当たり前の時代だが、アジアが“サッカー後進国”と言われていた時期を物語るエピソードでもあった。
(THE ANSWER編集部)