荒木絵里香さんらが女性アスリート対象セミナーに登壇 出産、現役復帰の体験シェア「学びや知識を共有したい」
3月11日、一般社団法人MANが、女性アスリートとその家族、関係者ら対象にセミナーを開催。対面・オンライン形式で行われ、現役女性アスリートを中心に、計59名が参加した。
59名が参加、MAN代表理事の中山由紀枝さん「アスリートの輪をつなぐ団体でありたい」
3月11日、一般社団法人MANが、女性アスリートとその家族、関係者ら対象にセミナーを開催。対面・オンライン形式で行われ、現役女性アスリートを中心に、計59名が参加した。
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MANの代表理事は、元クレー射撃日本代表の中山由紀枝さん。当法人として初のセミナーとなったこの日、中山さんほか、理事の元バレーボール女子日本代表の荒木絵里香さんが登壇した。
セミナーは「産前産後トレーニング」と「人生設計プログラム」の2部構成で開催。1部の「産前産後トレーニング」の講師は、アスレティックトレーナーの平井靖子さん。日頃から産前・産後のアスリートの体作りをサポートする平井さんが、母体についての講義、そして会場参加のアスリートたちの協力の下、トレーニング指導を行った。
競技復帰を目指す場合、順序を守ったトレーニングが重要、と平井さん。
「アスリートたちは妊娠前のボディイメージがあるので、いきなり強度の高いトレーニングに入りがち。しかし、日常生活に戻ることから始め、トレーニングに戻るための体作り、パフォーマンスを上げるためのセッションと、正しい順序で行って欲しい」(平井さん)
1部の最後は、会場でトレーニングを実演したアスリートたちが、それぞれ感想を発表。元ラクロス日本代表の鈴木理沙さん(ミストラル)は、産後、平井トレーナーのトレーニングを受けた一人。出産の8か月後に控えた日本代表の選考会を目指し、体作りを行った経験を話した。
「出産後は、早く競技に戻りたいという焦りがあったが、平井さんらにしっかり計画を立てて頂いたおかげで、無事にフィールドに残ることが出来た。どうしても自分のもとある姿、元の競技に戻りたいと思いがちだが、妊娠したからこそ新たに手に入れた自分で競技が出来る、という言葉が心に残った」(鈴木さん)
2部では、MANが取り組む「人生設計プログラム」を紹介。「人生の見える化」の大切さを伝えながら、中山さん、荒木さんの出産や現役復帰への想い、育児と競技の両立などの体験談を披露。現役時代、出産、競技復帰を果たしたトップランナー二人の、貴重な経験をシェアする時間となった。
セミナーの最後は参加者と登壇者によるQ&Aタイム。体作りから出産・子育て時の経験に関する質疑応答が活発に行われ、約3時間のセミナーは終了した。
閉会にあたり「MANらしく優しい団体、アスリートの輪をつなぐ団体でありたい」と中山さん。「昔はアスリート同士、今日のような話をする機会がなかった。これからは垣根なく、苦しんだことなどもどんどん提供していきたい」と力強い言葉で締めくくった。
セミナー終了後、「今日はいい発信が出来たと思う」と荒木さん。
「今回は産前産後のトレーニングがテーマだったが、例えば『家族』や『心理』など、アスリートを取り巻く様々な側面をテーマに設定できる。今後もこういったイベントは継続的に開催し、出産・子育てを続けながら競技を続けるアスリートに向けて、学びや知識を共有していきたい」と語った。
MANは、出産や産後復帰を目指すアスリートたちを支える環境を整え、情報発信やネットワーク構築を目的に設立。「MAN」には『ママ』だけでなく『MAN(男性)』、『human(人)』の意味が込められており、多様性を理解し、支えあう社会を目指す。
(THE ANSWER編集部)