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大谷翔平、32秒間の名スピーチの真意 WBC決勝の円陣で「憧れるのをやめましょう」と言った理由

野球のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)は21日(日本時間22日)、米マイアミのローンデポ・パークで決勝が行われ、日本が前回王者・米国を3-2で下し、2009年第2回大会以来14年ぶり3度目の優勝。悲願の世界一奪還を果たした。胴上げ投手になり、MVPも獲得したのは大谷翔平投手(エンゼルス)。プレーはもちろん、その舞台裏で今大会初めて務めた円陣の声出しで「僕から一個だけ。憧れるのをやめましょう」と訴えた。その真意とは――。

侍ジャパンの大谷翔平【写真:Getty Images】
侍ジャパンの大谷翔平【写真:Getty Images】

今大会初めて務めた円陣の声出し「今日一日だけは彼らへの憧れを捨てて」

 野球のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)は21日(日本時間22日)、米マイアミのローンデポ・パークで決勝が行われ、日本が前回王者・米国を3-2で下し、2009年第2回大会以来14年ぶり3度目の優勝。悲願の世界一奪還を果たした。胴上げ投手になり、MVPも獲得したのは大谷翔平投手(エンゼルス)。プレーはもちろん、その舞台裏で今大会初めて務めた円陣の声出しで「僕から一個だけ。憧れるのをやめましょう」と訴えた。その真意とは――。

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 誰がこんな結末を予想しただろうか。1点リードの9回。DHを解除した大谷がマウンドに向かう。世界一をかけた大舞台。2死として迎えたのはエンゼルスの同僚で米国代表を主将マイク・トラウト。フルカウントからの6球目。腕を振って投げたスライダーにバットが空を切る。魂の15球。WBC制覇――。グラブを放り投げ、歓喜の輪の中心で身を委ねる。小さい頃から憧れ続けたWBC制覇。そして、MVPという夢を叶えた。

「本当に夢見ていたところなので、本当にうれしい。接戦のいいゲームで。最後は緊張したけど、なんとか抑えられてよかった」

 その舞台裏で侍ジャパンを鼓舞したのが、試合前にあった32秒間の名スピーチだ。大谷はロッカールームで今大会初めて円陣の声出しを務めた。第一声は「僕から一個だけ。憧れるのをやめましょう」から始まり、こう続けた。

「ファーストにゴールドシュミットがいたり、センターを見ればマイク・トラウトがいるし、外野にムーキー・ベッツがいたり、野球をやっていたら誰しも聞いたことがあるような選手たちがいると思う。憧れてしまっては超えられないので、僕らは今日超えるために、トップになるために来たので。今日一日だけは彼らへの憧れを捨てて、勝つことだけ考えていきましょう」

 そして、最後に「さあ、行こう!」で締めくくった言葉で侍たちを奮い立たせ、世界最強軍団を相手に躍動した。

 この模様は侍ジャパン公式ツイッターで紹介されると「名言すぎる」「大谷にしか言えない」などと話題になった。「憧れるのをやめましょう」――。その言葉に込めた真意とは何だったのか。試合後に米スポーツ専門局「FOXスポーツ」のインタビューに対し、真意を説明した。

「野球をやっている人なら誰もが知ってる選手が1番から9番までいる。もちろんベンチの選手もそう。何も考えないと『あ、マイク・トラウトだ』とリスペクトの気持ちで受け身になってしまうので、そこだけ負けないんだという気持ちを持って行きたいなと思っていた」

 選手に伝えるばかりではなく、自らもその言葉を体現した。9回2死でトラウトと対峙した場面。「彼の凄さは誰よりも見ている。チームメートが一番、彼の人間性を含めた凄さを分かっていると思う。自分のベストを超えるような球を投げないと抑えられないバッターかなと思って、そういう気持ちで行った」と語った。

 侍ジャパン世界一奪還。その中心には紛れもなく、大谷翔平がいた。

(THE ANSWER編集部)

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