喜ぶ侍ナインの背後に映っていたものとは

　野球のワールド・ベースボール・クラシック（WBC）は20日（日本時間21日）、米マイアミのローンデポ・パークで準決勝が行われ、日本はメキシコに6-5でサヨナラ勝ちした。最後は不振の村上宗隆がサヨナラ2点適時打。選手たちが歓喜の輪をつくった背後、客席では日本ファンが国旗を振るのを止め、メキシコファンをハグを交わしていた。米メディアが映り込んでいた瞬間の動画を公開。海外ファンから「野球は最高だ」「真の品格を備えた日本のファンだ！」と注目を浴びている。

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　どんなに嬉しくても大切なことを忘れていなかったようだ。村上を中心にした歓喜の輪。その背後に映っていた三塁側ベンチの上だった。日の丸を振っていたファンが突如手を止め、隣を向いた。横にはメキシコ国旗柄のグッズを身につけた相手ファン。日本ファンが頭を下げると、メキシコファンが肩を叩き、ハグを交わした。

　我を忘れて喜んでいてもおかしくない劇的場面。一連のシーンを収めた動画をツイッターに公開したのは、米ポッドキャストメディア「ジョムボーイ・メディア」だった。文面に「日本代表の歓喜の輪の背後で、日の丸を掲げていたファンがお辞儀をし、メキシコ代表のグッズを身につけていたファンとハグをしていた。野球は最高だ」と感動した様子を記した。

　国境を越えた敬意に対し、海外ファンから絶賛の声が上がっている。

「これこそが全てだよね」
「野球が大好きだ！」
「リスペクトだ」
「今夜球場で見たスポーツマンシップと喜びに心が温められた」
「真の品格を備えた日本のファンだ！」
「日本人は本当に敬意があるな」
「美しい」
「日本の文化だね」

　日本は連覇した2009年第2回大会以来、14年ぶりの決勝進出。度目の優勝を目指し、21日（同22日）の決勝で前回王者・米国と対戦する。