WBC準決勝・日本―メキシコ戦

　野球のワールド・ベースボール・クラシック（WBC）は20日（日本時間21日）、米マイアミのローンデポ・パークで準決勝が行われ、日本はメキシコに6-5で逆転サヨナラ勝ちした。連覇した2009年第2回大会以来、14年ぶりの決勝進出。敗れたもののメキシコは左翼手アロサレーナが5回先頭で岡本和真内野手（巨人）の本塁打性の打球を捕球し、2死満塁からは左翼後方へのフライを背走キャッチした。さらに6回2死満塁でも左翼線のフライを悠々と捕球。ことごとく日本のチャンスの芽を摘み、日本人からは「アロサレーナの壁」「トラウマになるわこんなん」と悲鳴が上がっていた。

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　この男に打球が飛ぶたび、日本中がため息に包まれた。日本の0-3のビハインドで迎えた5回先頭、岡本が先発サンドバルから左翼に大飛球を放った。ぐんぐん伸びる打球は左翼フェンスをぎりぎり越えようかというところに落ちてくる。しかし、左翼手アロサレーナがジャンプ一番で捕球。本塁打を強奪した。超美技を演じたアロサレーナは仁王立ちでドヤ顔ポーズ。球場は「MVP！」コールが湧き起こった。

　ただ、アロサレーナの躍動はこれで終わらない。日本が2死満塁と攻め、2番近藤健介が左翼へ大きなフライを放った。素早く打球に反応したアロサレーナは俊足を飛ばし、背走しながらキャッチ。越えていれば、走者一掃で同点かというピンチをしのいだ。捕ったボールを左翼席に投げ入れたアロサレーナは大興奮のままベンチに駆け出し、球場の大歓声を浴びた。そして、6回2死満塁でも源田壮亮が左翼線に放ったフライを悠々とキャッチしてみせた。

　三度、日本のチャンスの芽を摘み、日本のネット上では「アロザレーナ」がトレンド入り。ファンからは「トラウマになるわこんなん」「アロサレーナの壁」「またアロサレーナか…」「チャンスは全部アロサレーナに吸い込まれてゆく」「悪魔だよ」「位置取りが上手い」「アロサレーナ守備良すぎる」「もう見たくないアロサレーナ」「球際強すぎ」「残念、そこはアロサレーナ」と悲鳴が上がっていた。

　さらに、打っても日本が3-3と同点に追いついた直後の7回2死で山本由伸から二塁打を放ち、後続のタイムリーで生還。一時勝ち越しとなるホームを踏んだ。直後には「攻守に日本のトラウマ」「アロサレーナに守備も打撃もかき回されてる」「アロサレーナ怖すぎる」「恐るべしアロサレーナ」「アロサレーナ、覚えた流石に」「完全にMVPの活躍」とネット上から悲しみの声が広がっていた。

　ただ、最後は侍ジャパンが劇的な大逆転。村上宗隆が放った左中間フェンス直撃の逆転サヨナラ打にアロサレーナも呆然とした。敗れはしたものの、WBC史に刻まれる激闘で「アロサレーナ」の名前はしっかりと日本人の記憶に焼き付いた。