エース西田有志の登場でコートサイドに届いた“音”の正体 レンズ越しに広がった笑顔とどよめき
バレーボールのV1リーグ男子ファイナルステージの準決勝が24日に行われ、今季1位のパナソニックが同4位のJT広島に3-0(25-23、25-21、25-13)のストレート勝ちで決勝に駒を進めた。今試合から復帰したエースが登場し、雰囲気が一変。強烈なアタックが決まると、東京・大田区総合体育館はどよめきで包まれた。(写真・文=THE ANSWER編集部・中戸川 知世)
THE ANSWER編集部・新人カメラマンフォトコラム
バレーボールのV1リーグ男子ファイナルステージの準決勝が24日に行われ、今季1位のパナソニックが同4位のJT広島に3-0(25-23、25-21、25-13)のストレート勝ちで決勝に駒を進めた。今試合から復帰したエースが登場し、雰囲気が一変。強烈なアタックが決まると、東京・大田区総合体育館はどよめきで包まれた。(写真・文=THE ANSWER編集部・中戸川 知世)
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「11番 西田有志が入ります!」
選手交代で会場にアナウンスが響き渡る。日本を代表するオポジットの登場だ。客席からは待ってましたと言わんばかりに、この日一番の拍手喝采が送られた。コートサイドで撮影していた私は、ファンのワクワク感が乗った“音”を確かに感じた。
第1セット23-22の場面。ブレイクしてマッチポイントとしたい勝負所で、満を持してコートに立ったサウスポー。2月下旬から怪我で欠場が続いていたが、いきなりその不安を払しょくして見せた。
交代直後、高いトスに合わせて思い切り腕を振り下ろす。強烈なスパイクが相手のブロックを弾き飛ばした。ド迫力という表現がぴったり。人差し指を立ててガッツポーズした西田の周りでは、労いに駆け寄った仲間の笑顔が弾けていた。
この日打ったアタックは3本で、得点は2だけ。それでも、西田のプレーのたびに「おぉ~」のどよめきで包まれる客席を、レンズ越しに確認できた。ティリ・ロラン監督は「彼が入ったからこそ1セット目が取れた。それまで競っていたが、試合の雰囲気が変わった」と仕事ぶりと存在感に大満足の様子だった。
昨年のワールドカップでは、パリ五輪出場権獲得に貢献。連日、大観衆の中で戦った。Vリーグでも屈指の人気選手。久々に試合で歓声を浴びて、改めて実感した。
「多くの方に応援されているのはありがたいこと。こういう(観客がいる)場所でやれることを噛みしめながらやれたら」
何よりも力になる声援。しかし、気負いすぎてもダメなことは良く知っている。「いつもと変わらず決勝にも向かう。来週は100%の状態で行けます」。サントリーとの決勝は31日。今季最後の1戦で、ため込んだパワーを全開放する。
(THE ANSWER編集部・中戸川 知世 / Chise Nakatogawa)