父の死、母の癌発覚…体重超過でメダルを逃した五輪女子の壮絶人生「母は自分のために戦えと…」
パリ五輪レスリング女子フリースタイル50キロ級で決勝に進みながら体重超過で失格したビネシュ(インド)が壮絶な過去を明かしている。
パリ五輪
パリ五輪レスリング女子フリースタイル50キロ級で決勝に進みながら体重超過で失格したビネシュ(インド)が壮絶な過去を明かしている。
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ビネシュはインスタグラムに画像を添付し、長文メッセージを公開。幼い頃は五輪の大きさを知らず、夢に描くものではなかったという。それを踏まえた上でバス運転手だった父の話に。両親との思い出をこうつづっている。
「自分(父)が地上を走る一方で、娘の私が飛行機に乗り、いつか高く飛び立つと言っていました」「父はよくこの夢を私に語りましたが、自分(ビネシュ)には対して意味がないと思っていたので、馬鹿げたことと考え、笑い飛ばしていました。母は困難なことだらけの人生を歩んだ女性で、夢は子どもに自分よりも良い人生を送ってもらうこと。自立した存在になることで、父の夢よりずっと単純でした」
その後、父の死を経験。「高く飛び立つという彼の考えや言葉だけが私の中に残りました。そのことに困惑しましたが、母の夢も遠く離れました。それは父の死から数か月、母がステージ3の癌だと診断されたからです」。母の癌が発覚し「私にとっての子どもの頃の夢は消え失せ、代わりに人生で現実に直面しました」とショックをつづった。ここから前を向いて五輪の夢を追ったという。
「ただ、それ(母の病)は私に多くの教えとなりました。母が味わった困難や決して諦めない姿勢、闘う精神は、今の私を形づくっています。母は私に真に自分のために戦えと教えてくれました。私が勇気について考える時、母の存在が頭に浮かび、結果を考えることなくどんな試合でも私を勇気づけてくれました」
ビネシュは6日の計量をクリアし、1回戦で東京五輪金メダリストの須崎優衣に勝利。7日の決勝に進出したが、7日朝の計量は失敗した。米スポーツ専門局「ESPN」など海外メディアによると、サウナなどで汗を流し、髪を切り、さらに採血まで行った末に約100グラム超過だったという。
五輪では報われない結果に終わったが、それぞれが戦う理由を胸に秘め、大舞台に臨んでいた。
(THE ANSWER編集部)